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Research NEWS

早期膵がんの90%を血液検査で検出することに成功

医薬保健研究域医学系、教授
山下 太郎YAMASHITA, Taro

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 金沢大学医薬保健研究域医学系(消化器内科学)/先進予防医学研究科長の山下太郎教授、附属病院内視鏡センター長の鷹取元准教授、附属病院革新的膵がん医療研究開発センターの宮澤正樹助教の研究グループは、診断が極めて困難とされる早期膵がんの90%を、末梢全血の遺伝子発現パターンによって検出することに成功しました。

 膵がんは本邦における代表的な難治がんであり、国立がん研究センターのがん統計によると2009~2011年の5年生存率は8.5%と極めて低く、最も悪性度の高いがんです。膵がんは、周囲臓器への浸潤や遠隔転移能力が極めて高いために、多くが進行した段階で発見されることから、早期膵がんの診断を行うことは極めて困難であることが知られています。一方、早期に発見され根治的な治療を受けた場合には、5年生存率が85%以上に達する可能性が報告されており、早期発見が予後改善の鍵となります。

 本研究では、研究グループがこれまでに開発してきた末梢全血(※1)由来の遺伝子発現パターン(※2)と、臨床で広く用いられている腫瘍マーカー(※3)による早期膵がんの検出率について比較検討を行いました。2020年から2024年に金沢大学附属病院を受診した膵がん患者253例中、早期膵がんと診断された10例の患者を対象に解析を行った結果、腫瘍マーカーCA19-9では1例のみ(10%)しか検出できないのに対し、末梢血遺伝子発現パターンでは9例(90%)の検出が可能でした(図1)。本研究の結果は、血液を用いた低侵襲な手法により、これまで困難とされてきた早期膵がんの検出に新たな可能性を示すものです。

 これらの知見は将来、早期膵がんのスクリーニングへの活用が期待され、膵がん患者の予後改善への寄与が見込まれます。

 本研究成果は、2026年7月15日午後6時(日本時間)に国際学術誌『Scientific Reports』のオンライン版に掲載されました。

 

図1:ステージ0~1膵がんにおける診断性能

図2:本研究の概念図

【用語解説】

※1 末梢全血
 体の中を流れている血をそのまま(通常は腕から)採取したもの。

※2 遺伝子発現パターン
 どの遺伝子がどのくらい活動しているかの組み合わせを指す。

※3 腫瘍マーカー
 がんがあると増えることがあるためにがんが存在する目印になる物質。

 

プレスリリースはこちら

ジャーナル名:Scientific Reports

研究者情報:山下 太郎
鷹取  元
宮澤 正樹

関連情報

金沢大学 大学院 医薬保健学総合研究科・医薬保健学域医学類

金沢大学 附属病院

 

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