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Research NEWS

地域支援体制強化を目指した全国調査を実施
―消防本部と地域機関の連携実態と課題―

附属病院先端医療開発センター、特任助教
上野 恵子UENO, Keiko

 金沢大学附属病院先端医療開発センターの上野恵子特任助教らの研究グループは、全国の消防本部(※1)と地域の介護・福祉・保健機関の連携の実態およびその課題を明らかにしました。

 少子高齢化が進む現代社会において、高齢者を地域全体で支える「地域包括ケアシステム(※2)」や、複雑な課題を抱える住民への支援を強化する「重層的支援体制(※3)」の整備が全国で進められ、地域における関係機関(介護機関(※4)・福祉機関(※5)・保健機関(※6))の連携体制が推進されています。今後さらに増加が見込まれる救急需要に対応するためにも、消防本部がこれらの地域の仕組みに積極的に関わっていく重要性が指摘されています。しかし、こうした連携の実態や現場で直面する課題についての全国的な知見は、これまでほとんどありませんでした。そこで本研究では、日本全国の消防本部を対象に、地域の介護・福祉・保健機関との連携状況およびその際に生じる課題を明らかにするためのアンケート調査を実施しました。その結果、約 84%の消防本部が地域の介護・福祉・保健機関と何らかの形で連携していることが明らかになりました。

 消防本部と地域の介護・福祉・保健機関との連携は、地域住民の生活と健康を支えるうえで欠かせないものです。本研究で得られた知見より、今後消防本部と地域の介護、福祉、保健機関のさらなる連携体制の強化と、課題解決に向けた取り組みが期待されます。

 本研究成果は、2025 年 5 月 28 日に日本救急医学会が出版する国際誌『Acute Medicine& Surgery』のオンライン版に掲載されました。

図1:本研究の概要図

【用語解説】

※1 消防本部
 各自治体に設置された消防機関の中核的な組織のこと。火災対応だけでなく、救急搬送を含む救急業務も担い、消防署や救急隊を統括・指揮し、地域の安全と安心を守るために重要な役割を果たしている。

※2 地域包括ケアシステム
  国(厚生労働省)が推進する仕組みで、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるよう、医療・介護・生活支援などを地域の関係機関が連携して提供する仕組みのこと。

※3 重層的支援体制
 国(厚生労働省)が推進する取り組みで、複雑な課題を抱える人に対し、福祉・介護・就労支援などを横断的・包括的に提供する地域の支援体制のこと。

※4 介護機関
 高齢者や障害がある人々に対して、日常生活の支援や介護サービスを提供する施設や組織のこと。具体的には、介護老人福祉施設や訪問介護事業所、デイサービスセンターなどが該当する。

※5 福祉機関
 社会的に支援が必要な人々に対して、生活支援やサービスを提供する施設や団体のこと。具体的には、社会福祉協議会、子ども家庭支援センター、福祉事務所などが該当する。

※6 保健機関
 地域住民の健康維持や疾病予防を目的として、医療や健康管理に関するサービスを提供する施設や組織のこと。具体的には、保健所や地域保健センター、自治体の保健部局などが該当する。

 

プレスリリースはこちら

ジャーナル名:Acute Medicine& Surgery

研究者情報:上野 恵子

関連情報

金沢大学附属病院 先端医療開発センター

 

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