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Research NEWS

新しい機械学習駆動型ワークフローによるセルロース溶解のためのイオン液体の生成とスクリーニング

理工研究域生命理工学系、教授
髙橋 憲司TAKAHASHI, Kenji

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 金沢大学理工研究域生命理工学系の髙橋憲司教授、ギャネンドラ・シャルマ特任助教、メンヤン・ク博士研究員らの研究チームは、株式会社CrowdChemおよび物質・材料研究機構・マテリアル先端リサーチインフラセンターハブと共同で、機械学習による新規イオン液体の開発に成功しました。 本研究により、潜在的に新しい化合物の創出とスクリーニングを通じて、セルロース溶解に適したイオン液体の予測が可能となりました。

 セルロースは、再生可能資源として非常に用途の広い材料ですが、一般的な溶媒には溶けにくく、加工の面で課題があります。イオン液体は、セルロースに対して高い溶媒和能を示すことが分かっていますが、最適なセルロース溶解性能を持つイオン液体の実験的開発は、依然として試行錯誤を要する時間のかかるプロセスです。

 本研究では、モンテカルロ・ツリー探索(※1)とリカレント・ニューラルネットワーク(※2)技術を統合した新たな有機イオン生成手法を開発しました。この手法により、数十億種類におよぶ潜在的な新規イオン液体の仮想分子ライブラリを構築しました。その後、事前に学習させた2種類の機械学習モデルを用いて、セルロース溶解度および融点の観点からスクリーニングを実施しました。有望な候補については、実際の溶媒の物性計算(COSMO-RS)(※3)を使用して、さらに検証およびスクリーニングを行いました。

 本研究は、効率的なワークフローと仮想分子ライブラリを提供することで、新しいイオン液体の理論的および実験的開発を促進します。

 本研究成果は、2025年5月21日に国際学術誌『Journal of Cheminformatics』にオンラインで掲載されました。

 

図:セルロース溶解のための新規 IL の生成とスクリーニングのワークフロー

 

【用語解説】

※1 モンテカルロ・ツリー探索
 モンテカルロ法を用いた探索アルゴリズムで、特にゲームAIの意思決定に広く活用されています。

※2 リカレント・ニューラルネットワーク
 時系列データや連続的な情報を処理するためのニューラルネットワークの一種です。

※3 物性計算(COSMO-RS)
 溶液中の分子間相互作用を評価し、熱力学物性を予測するための計算手法です。1995年にA. Klamtによって提案され、量子化学計算と統計力学を組み合わせることで、溶解度や活量係数などの物性を高精度に推算できます。

 

プレスリリースはこちら

ジャーナル名:Journal of Cheminformatics

研究者情報:髙橋 憲司
ギャネンドラ・シャルマ

関連情報

金沢大学 理工学域 生命理工学類

金沢大学 大学院 自然科学研究科

 

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