松原 創/鈴木 信雄さん 写真
Research NEWS

フグ仔魚の新たな生存戦略を解明
―ほぼ毒性のないフグ毒類縁体「TDT」が捕食者を瞬時に退ける 「警告シグナル」として機能―

理工研究域生命理工学系、教授/環日本海域環境研究センター、教授
松原 創/鈴木 信雄MATSUBARA, Hajime/SUZUKI, Nobuo

 金沢大学理工研究域生命理工学系の松原創教授、環日本海域環境研究センターの鈴木信雄教授は、日本大学生物資源科学部の糸井史朗教授を中心とする、東京大学、名古屋大学、および新潟県立海洋高等学校などによる共同研究グループで、クサフグの仔魚が捕食者から身を守るために、猛毒のテトロドトキシン(TTX)に加えて、ほぼ毒性のないTTX類縁体である「5,6,11-トリデオキシテトロドトキシン(TDT)」を利用していることを明らかにしました。

 本研究では、組織を透明化して観察する「ホールマウント免疫染色」技術を用いて、母親由来のTDTがTTXと同様に仔魚の体表(表皮)全体に局在していることを明らかにしました。

 また、近年の研究から、フグ自身はTDTを匂いとして感知し誘引されることが分かっており、TDTは捕食者にとっては「危険シグナル」として、フグの仲間同士では「社会的シグナル」という驚くべき二面性を持つことも本研究から浮き彫りになりました。

 本研究成果は、フグが最も無防備な仔魚期を生き抜くための、複雑で巧妙な生存戦略の解明につながることが期待されます。

 本研究は、鈴木信雄教授を研究代表者とした金沢大学環日本海域環境研究センター共同研究(課題番号:23032, 24025, 25027)および科研費基盤研究(A)(課題番号:19H00954、23H00347)などの一環であり、松原創教授(水圏生産科学)と鈴木信雄教授(環境生理学)は本研究のTDTおよびTTX精製に貢献しました。

 本研究成果は、2026年8月19日に国際学術雑誌『iScience』で公開されました。

 

図:フグの仔魚におけるTDTを利用した生存戦略

 

プレスリリースはこちら

ジャーナル名:iScience

研究者情報:松原  創
鈴木 信雄

関連情報

金沢大学 理工学域 生命理工学類

金沢大学 大学院 自然科学研究科

金沢大学 環日本海域環境研究センター

 

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