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金沢大学疾患モデル総合研究センター研究基盤支援施設/医薬保健研究域附属サピエンス進化医学研究センターの西内巧准教授、総合研究大学院大学/九州大学の蔦谷匠准教授、マレーシア・サバ大学のシャミミ・マクバル大学院生、玉川大学の田島知之准教授、日本オランウータン・リサーチセンターの金森朝子理事、久世濃子理事などからなる、日本とマレーシアの国際共同研究チームは、オランウータンのコドモが生後6 年半の長い期間にわたって母親の乳を摂取していることを世界で初めて実証しました。
オランウータンは哺乳類の中で最も長い期間にわたってコドモに授乳すると考えられてきましたが、それを直接的に示す実証的なデータはなく、これまでの研究では相反する結果も得られていました。本研究では、コドモが摂取し消化を経て糞中に排出される乳由来のタンパク質を検出する新たな技術である「糞プロテオミクス」を利用して、野生オランウータンは生後6年半に及ぶ期間にわたり母親の乳を継続的に摂取していることを明らかにしました。また、この哺乳類最長と考えられる授乳期間は、コドモの免疫防御や腸内環境の健康維持に役立っている可能性も示されました。
本学の西内巧准教授は、糞プロテオミクスにおいて、質量分析計を用いた分析を担い、乳由来タンパク質の検出を通じて、オランウータンの長期授乳を裏付ける重要な成果に貢献しました。本研究によって、糞プロテオミクスの方法が野生の陸上哺乳類にも応用できることが初めて確かめられました。この方法を用いることで、さまざまな生物種について、特に授乳・離乳の状況をこれまでよりも正確に把握できるようになります。
本研究成果は、2026 年5 月25 日に国際学術誌『Communications Biology』オンライン版に掲載されました。

野生ボルネオオランウータンの母子 (撮影:総合研究大学院大学/九州大学・蔦谷匠)

図:母乳特異的タンパク質の相対的な検出数の年齢変化 (イラスト:総合研究大学院大学/九州大学・蔦 谷匠)
ジャーナル名:Communications Biology
研究者情報:西内 巧
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