学長メッセージ

オール金沢大学で「未来知」により社会に貢献する

 令和4年4月より金沢大学長を拝命し、5月に金沢大学未来ビジョン「志」を公表してから約1年が経ちました。「志」では、金沢大学憲章にある「地域と世界に開かれた教育重視の研究大学」という基本理念のもと、揺るぎない未来ビジョンを「オール金沢大学で『未来知』により社会に貢献する」として明確に示しています。研究、教育、経営に対して、それぞれ「世界的研究拠点の形成」、「社会の中核的リーダーたる“金沢大学ブランド人材”の輩出」、「持続可能で自律的な運営・経営の実現」という3つのあるべき姿を掲げ、27のミッションと、個々のアクションプランを設定しました。「志」の実現に向けて、学生、教員、職員がそれぞれの立場を超え、互いの尊重と協働のもとで「オール金沢大学」として邁進しています。

 研究面では、統合創成研究環のもと、基礎研究、応用研究、社会実証研究を通じた「未来知による社会貢献」を加速する様々な取り組みを実施しています。具体的には、令和4年に文・理・医を融合した新たな考古学の確立を目指す「古代文明・文化資源学研究所」を創設しました。また、令和5年には新産学連携研究拠点「バイオマス・グリーンイノベーションセンター」が本格的に稼働します。さらに、キャンパスをショーケースとして社会実証研究を推進するエンジンである「未来知実証センター」を設置します。

 教育面では、未来創成教育環のもと、学修者本位教育(自ら学び、自ら育む人材育成)を実現する教育環境整備を推進しています。「志」の最重要ミッションの一つでもある大学院改革も進んでいます。従来の高大院接続プログラムに加え、博士人財の育成や若手研究者への支援を拡充し、大学入学前から若手研究者までの一貫した教育モデルを構築しています。この基盤として、大学院教育にも金沢大学<グローバル>スタンダード(KUGS)に基づく文理融合型のSTEAM教育を拡充しました。また、本学で博士の学位取得後にPromising researcherとして研究者としてのスタートアップを行う新たな制度も導入します。文理融合を推進する融合学域には「観光デザイン学類」を令和4年4月に設置し、さらに本年4月には「スマート創成科学類」を新設しました。

 経営面では、令和4年に文部科学省・国立大学経営改革促進事業に採択されました。これにより、金沢大学があるべき姿にむけて、人への投資、プロジェクトの推進を強力に進めていく基盤が構築されつつあります。あわせて、北陸経済連合会のコーディネートの下、本学を含む北陸地区の4つの国立大学が共同で運営を行う「北陸未来共創フォーラム」を一層充実させます。本組織を通じて、産学官連携によるオープンイノベーションを加速させていきます。

 令和5年は、従来の社会・経済活動の回復・両立を目指すポストコロナの新しい生活様式が一層進む年となるでしょう。これまでコロナ禍の影響を受けていた学生の海外留学や海外からの留学生の受け入れなど、金沢大学と世界とのつながりを改めて推し進める必要もあります。地球環境問題や紛争など、世界では依然として大きな問題が累積しています。ゆるぎない未来ビジョン「志」のもと、社会の中核的リーダーたる「金沢大学ブランド人材」の育成を進めます。さらに、世界トップレベルの研究展開により、イノベーションを金沢大学から起こし、オール金沢大学で未来知による社会貢献を一層推進します。

 今後も引き続き、皆様から金沢大学へのご支援・ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

令和5年4月1日

 

 

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