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Research NEWS

「運動の脳」小脳が 社会性に関わる行動を支える仕組みを解明 -自閉スペクトラム症研究に新たな視点ー

子どものこころの発達研究センター、特任准教授
藤田 慶大FUJITA, Kyota

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 金沢大学子どものこころの発達研究センターの藤田慶太特任准教授、横山茂特任教授 (研究当時:教授)、新学術創成研究機構社会脳発達研究ユニットの西山正章教授らの共同研究グループは、小脳が運動だけでなく、「社会性」に関わる行動にも関与してい ることを明らかにしました。

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本研究のポイント

・自閉スペクトラム症(ASD)に関連する複数のマウスモデルにおいて、小脳深部の神経細胞を取り囲む特定の細胞外構造が共通して減少していることを見出しました。

・この構造の減少により、小脳から広範な脳領域へと広がる神経回路の活動が低下し、「社会性」に関わる行動に変化が生じることを実験的に示しました。

・本研究は、小脳が運動制御に加えて「社会性」に関わる神経回路の働きを制御する重要な役割を担っていることを示す新たな知見です。

 本知見は、ASDを特定の脳部位の変化として捉えるのではなく、脳回路全体の働き方として理解するための新たな視点を示しています。将来的には、ASDの理解や支援のあり方を検討していくための基盤となることが期待されます。

 本研究成果は、2026年5月13日にSpringer Nature誌『Translational Psychiatry』のオンライン版に掲載されました。

図. 小脳におけるペリニューロナルネット(PNN)の異常が社会性を担う脳回路に及ぼす影響

 正常な状態では、小脳核の神経細胞はPNN により安定化され、社会的刺激に応じて活発に活動し、その情報が赤核や視床などの脳領域へ伝えられる。一方、自閉スペクトラ ム症(ASD)モデルマウスやPNN を分解したマウスでは、小脳核におけるPNNが減少し、神経細胞の活動が低下する。その結果、小脳から広がる神経回路全体の働きが弱まり、社会的行動が減少する。

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プレスリリースはこちら

ジャーナル名:Translational Psychiatry

研究者情報:藤田 慶太
横山 茂

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金沢大学子どものこころの発達研究センター

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