尾﨑 光紀さん 写真
Research NEWS

宇宙空間のプラズマ波動の源を可視化する
「リング状に拡大する脈動オーロラ」を世界で初めて発見

理工研究域電子情報通信学系/先端宇宙理工学研究センター、准教授
尾﨑 光紀OZAKI, Mitsunori

 金沢大学理工研究域電子情報情報通信学系/先端宇宙理工学研究センターの尾﨑光紀准教授、八木谷聡教授、松田昇也准教授および学術メディア創成センター/先端宇宙理工学研究センターの笠原禎也教授らは、電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・ネットワーク工学専攻/宇宙・電磁環境研究センターの細川敬祐教授などの国際共同研究グループと共同で、フィンランドのソダンキュラに設置されている全天型オーロラ撮像装置と、地球磁気圏を観測する探査衛星「あらせ」(※1)による共同観測によって、これまでに報告例のない「リング状に急速拡大する脈動オーロラ(※2)」の観測に成功しました。

 宇宙や地上からの観測を統合的に解析することによって、この巨大なリング状のオーロラは、宇宙空間で発生する自然のプラズマ波動である「コーラス波」(※3)の波源領域そのものが急速に拡大することによってつくられたものであることを突き止めました。また、地上からの高時間分解能光学観測によって、オーロラの拡大とコーラス波の検出タイミングの遅延が一致することも明らかにしました。

 この現象は、宇宙空間のコーラス波の発生源の時空間変動をスクリーンのように映し出している可能性があり、脈動オーロラを地上から観測することが、宇宙空間のプラズマ変動のイメージングに繋がることが期待されます。

 本研究成果において、金沢大学の研究者は特にコーラス波の観測、解析に貢献しました。

 本研究成果は、2026 年6 月4 日に、学術論文誌『AGU Advances』のオンライン版に掲載されました。

 

図1:フィンランドのソダンキュラにおいて運用されているEMCCD 全天カメラ(中央部分)。1秒間に100枚のオーロラ画像を取得することができます。(写真提供電気通信大学)

 

【用語解説】

※1 探査衛星「あらせ」(ERG: Exploration of energization and Radiation in Geospace)
 地球の放射線帯(ヴァン・アレン帯)の高エネルギー電子の生成・消失プロセスの解明を目的とした、日本のジオスペース探査衛星。

※2 脈動オーロラ
 極域においてオーロラサブストームの回復相に現れ、数秒から数十秒の周期でパッチ状に明滅を繰り返すオーロラ。

※3 コーラス波
 地球の磁気赤道面付近の宇宙空間で発生する自然の電磁気的なプラズマ波動。高エネルギー電子を散乱させ、降下させる役割を持つ。

 

プレスリリースはこちら

ジャーナル名:AGU Advances

研究者情報:尾﨑 光紀
笠原 禎也
八木谷 聡
松田 昇也

関連情報

金沢大学 理工学域 電子情報通信学類

金沢大学 理工研究域 先端宇宙理工学研究センター

金沢大学 学術メディア創成センター

 

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