Students' Sparks

研究成果を臨床に還元して、医療に貢献できる研究者に

医薬保健学総合研究科 医学専攻 博士課程4年
梶野 真由KAJINO,Mayu

HaKaSe+(ハカセプラス)選抜学生として、博士学位の取得を目指して研究に励む、医薬保健学総合研究科医学専攻博士課程4年(取材当時)の梶野真由さんに、博士課程の魅力や研究のやりがいについてお聞きしました。(インタビュー動画は公式研究instagramでご覧いただけます。)

なぜ博士後期課程に進学されたのか、そのきっかけを教えてください。

 薬学類5年次の時に薬剤研究室に配属され、研究の面白さに惹かれたことが一番のきっかけです。もともと薬剤師になりたくて入学したのですが、患者さんと直接向き合う臨床とは異なる角度から、患者さんを助けられるような医療に貢献したいとの思いに変わり、研究者の道へ進むことに決めました。また、身近に博士課程に進学した先輩がいて、その姿がカッコよく見えたことも後押しとなりました。

どのような研究をされているのですか?

 切迫早産の治療薬として用いられる「リトドリン」を投与したお母さんから産まれた子どもは、新生児低血糖が起こるリスクが高いことが知られています。その発症のメカニズムを明らかにすることを目的に、新生児の糖代謝に関する研究を行っています。人間と胎盤の構造が似ているラットやマウスなどのげっ歯類の動物モデルで実験しています。

 研究は、小さな成功体験の積み重ねです。実際に、実験で思い通りの結果ばかりが出るわけではなく、失敗を繰り返す日々ですが、良い結果が出た時の喜びが、研究のモチベーションにつながっています。

これまでの研究を通して、身に付いたスキルや経験はありますか?

 私が一番身に付いたと実感するのは、「論理的思考」です。既知と未知をすみ分けたうえで、分かっていることから自分の研究に落とし込んだ時にどんな仮説が立てられるのかというふうに、物事を順序立てて考える力が鍛えられました。

 もう一つは、「コミュニケーション能力」です。学会などに参加して、自分の研究内容をプレゼンテーションする機会が多くありましたし、ラボには留学生もいたので英語で会話する場面も日常的にあり、研究を楽しみながら言語能力も身に付けられました。

HaKaSe+で役立った支援やプログラムを教えてください。

 HaKaSe⁺のプログラムでは、理工などの分野の先生方と共同研究を行う機会があり、自分の専門分野にとどまらず幅広く学べることが魅力です。

 また、私は海外留学の渡航費と滞在費の支援を受けて、カナダ・バンクーバーに3ヵ月間留学しました。ディスカッションも日常会話もすべて英語という環境は、英語でのコミュニケーション力の向上につながりました。

 留学を通して一番大きかった学びは、日本とは異なる環境で研究・実験を経験することで、自分がこれまで思っていた当たり前が海外では違っていて、外部から自分を見つめられたことです。例えば、日本では夜遅くまで実験を行うことが珍しくありませんが、カナダでは朝早く研究室に来て午後3時頃になるとパッと帰る人が多いことに驚きました。オープンラボだったこともあり、研究室間の学生の交流がとても活発だったことも印象に残っています。

最後に将来の夢を聞かせてください。

 博士課程では新生児の糖代謝の研究に打ち込んできました。卒業後は、大人を対象にした内分泌糖代謝に関する研究に取り組んでいく予定です。

 もともと、疾患の解明にとどまらず、人間の生理的機能がどのように成り立っているのか、まだ十分に解明されていない人体の根本的な仕組みに強い関心があり、それを一つずつひもといていきたいという思いを胸に研究を続けています。

 私のモットーは、「グローバルに考え、ローカルに行動する(Think globally, act locally)」です。広い視野で研究の意義を捉えながらも、目の前の課題に地道に向き合い、実践を積み重ねていきたいと思っています。

 将来的には、基礎研究の成果を臨床に還元する「リバース・トランスレーショナル・リサーチ」を通して患者さんの治療に貢献しながら、世界で活躍できる研究者になる、それが私の最終目標です。

※所属・学年・年次などはすべて取材当時のものです。ご了承ください。

(ライター・木戸 珠代)

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