小野 賢二郎/篠原 もえ子さん 写真
Research NEWS

【症例報告】
国内初ドナネマブ治療患者 脳内アミロイド除去を達成し 1 年で投与完了

医薬保健研究域医学系、教授/医薬保健研究域医学系、准教授
小野 賢二郎/篠原 もえ子ONO, Kenjiro/SHINOHARA, Moeko

 金沢大学医薬保健研究域医学系の小野賢二郎教授と篠原もえ子准教授は、金沢大学附属病院においてドナネマブ(※1)治療を受けた早期アルツハイマー病( ※2)の女性患者 1 名について、治療開始から 1 年後に実施したアミロイド PET 画像で脳内アミロイド除去が達成されたことを報告しました。

 ドナネマブは、アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度認知症の方を対象とした抗アミロイド抗体薬です。本患者は、国内で初めてドナネマブ治療を行った方です。

 1 年間の治療期間中、重篤な副作用は認められず、認知機能を含む症状の明らかな悪化も見られませんでした。本患者では、脳内アミロイドの十分な除去が確認されたことから、1 年間でドナネマブ治療を終了することができました。

 本症例のような、抗アミロイド抗体薬治療症例の集積および解析を通じて、今後、アルツハイマー病治療のさらなる発展につながることが期待されます。

 本研究は 2026 年 3 月 25 日に国際学術誌『Neurology』のオンライン版に掲載されました。

 

図1:ドナネマブ治療をうけた患者のアミロイド PET 画像
上段:治療前 下段:治療後
ドナネマブ治療により、脳内のアミロイドが除去されていることが分かる。
※本図は Neurology 掲載論文(©2026 Wolters Kluwer Health, Inc.)より、許諾を得て転載しています。

 

【用語解説】
※1 ドナネマブ
 ドナネマブはアルツハイマー病の治療薬で、アミロイドプラークに選択的に結合する抗体です。
※2 アルツハイマー病
 アルツハイマー病は徐々に進行する脳の疾患で、記憶や思考する能力が徐々に障害され、やがて日常生活に支障をきたす認知症と呼ばれる状態に陥る病気です。アルツハイマー病の患者の脳内には、アミロイド β という物質が溜まってできる老人斑といわれる構造物や、異常な神経線維のもつれ(タウタンパクが異常リン酸化して生じる神経原線維変化)、神経細胞の消失といった変化が見られ、これらの変化が長い時間をかけて進行します。

 

プレスリリースはこちら

ジャーナル名:Neurology

研究者情報:小野 賢二郎
      篠原 もえ子

関連情報

金沢大学 大学院医薬保健学総合研究科・医薬保健学域医学類:https://www.med.kanazawa-u.ac.jp/index.html

 

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