5分間で軽度認知障害と認知症を検出できるタッチパネル式認知機能検査システムの開発

金沢大学医薬保健研究域医学系の山田正仁教授らの研究グループは,5分間で軽度認知障害と認知症を検出できるタッチパネル式の検査システムを開発しました。

日本では高齢化社会が進み,それに伴い認知症の患者の数も年々増加しています。2025年には,65歳以上の高齢者の5人に1人,およそ700万人が認知症を患うという調査もあり,効果的な治療のための早期発見や予防は,社会の持続的な発展にとって大きな課題となっています。現在の課題は認知症になる前の軽度認知障害の段階で早期発見し原因を診断して治療方針を立てることです。現在,軽度認知障害や早期認知症の段階の人を対象としたアルツハイマー病の根本治療薬の開発が急速に進展しています。

本研究グループは,認知機能を客観的かつ正確に定量化した上で,「正常な認知機能」「軽度認知障害」「認知症」の3つの状態を簡単に診断できる検査システムを開発しました。新しく開発されたシステムは,コンピューター化されたタッチパネル式の認知機能テストであり,約5分間,さらに項目を選べば約2分間の短時間で,認知症ばかりでなく軽度認知障害を検出できます。

本研究で開発された検査システムは,自宅や地域の薬局などで気軽にパソコンで認知機能検査が実施でき,また医師が直接被験者に接することなく,たった5分で検査結果が得られることから,現在のようなコロナ禍の状況下でも有用な診断ツールになります。今後は,スマートフォンなどでも検査できるようにアプリとして普及させ,軽度認知障害や早期認知症の発見をさらに推進し,早期治療につなげていくことが期待されます。

本研究成果は,2020年12月11日に米国科学誌『PLOS ONE』に掲載されました。

図1

コンピューター化認知機能評価テスト (C-ABC)(タッチパネル式認知機能検査)の中の図形記憶課題。

 

図2

公民館でコンピューター化認知機能評価テスト (C-ABC) (タッチパネル式認知機能検査)を受けている様子。

 

 

PLOS ONE

研究者情報:山田 正仁

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