2型糖尿病治療薬カナグリフロジンの貧血抑制効果を発見

金沢大学附属病院検査部の大島恵医員(腎臓内科医師),和田隆志理事(研究当時:金沢大学医薬保健研究域医学系教授),オーストラリア・シドニーのジョージ国際保健研究所のHiddo JL Heerspink教授,Vlado Perkovic教授らの国際共同研究グループは,2型糖尿病治療薬のカナグリフロジンが慢性腎臓病を伴う2型糖尿病患者において,貧血の発症および進行の抑制に関与することを明らかにしました。

糖尿病性腎臓病患者において頻度の高い合併症である貧血は,腎不全および心血管疾患の危険因子として知られています。2型糖尿病治療薬のナトリウム・グルコース共役輸送体(SGLT2)阻害薬は,血糖降下作用ならびに腎臓および心血管の保護作用に加えて,短期的な赤血球産生の促進作用が認められています。しかし,これまで貧血に関する長期的な効果については明らかにされていませんでした。

本研究では,多施設共同ランダム化比較試験であるCREDENCE試験の事後解析により,慢性腎臓病を伴う2型糖尿病患者において,SGLT2阻害薬のカナグリフロジンが血液中のヘモグロビン値を長期にわたり上昇させ,貧血の発症および貧血に対する治療介入の抑制に関与することを示しました。これらの結果により,カナグリフロジンが糖尿病性腎臓病患者において貧血の発症および進行の抑制に関与することが示唆されました。

これらの知見は将来,カナグリフロジンが糖尿病性腎臓病患者の貧血に対する治療戦略に応用されることが期待されます。

本研究成果は,2020年10月13日23時30分(グリニッジ標準時間)に英国科学誌『The Lancet Diabetes & Endocrinology』に掲載されました。

 

図. カナグリフロジンはプラセボに比べて,貧血の発症および進行の抑制に関与する。

 

 

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The Lancet Diabetes & Endocrinology

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