ATMなどのタッチパネルの身体負担と見やすさ両方について最適解を特定

金沢大学新学術創成研究機構の茅原崇德助教,設計製造技術研究所の坂本二郎教授,首都大学東京の瀬尾明彦教授らの共同研究グループは,身体的負担を最小に抑え,画面の視認性を高めるタッチスクリーンの最適設置位置と角度を求める方法を検証し,最適解を得ることに成功しました。

近年,タッチパネルが非常に便利になり,銀行ATMやスマートフォンなどをはじめ,広く使われています。ATMのタッチパネルのように固定されているものでは,設置される高さによって,高い場合には身長の低い人には使いづらく,低い場合にはかがんで使う必要があるといった身体的負担の違いがあるだけでなく,見やすさなど利便性に関する問題が生じます。

本研究では,実験参加者によるタッチパネルの見やすさと,身体的負担としてさまざまな関節の角度測定により得られる力学的負荷の二つの指標を要素とし,最適解を求める方法を検証しています。その結果,タッチパネル設置の最適解として,高さが1124~1251ミリメートル,角度が44.4-67.9度と算出されました。

本研究は互いに関連し合う複数の目的についての最適解を求めるケーススタディとして実施されました。今後は,タッチパネルに関する種々の条件を広く設定し,実際の使用環境での見やすさと身体的負担の少なさを追求する研究を進めていきます。また,トレードオフ関係がある複数の目的の最適解を求めるという本研究の手法を,さまざまな人間工学的設計問題に応用していくことが期待されます。

本研究成果は,2019年6月26日(米国東海岸標準時間)に国際学術誌『Applied Ergonomics』のオンライン版に掲載されました。

 


 

図1. 対象となった9個の平均的な姿勢のパターン

 

図2.

A. タッチスクリーンの設置位置と高さ
 B.入力ボタンのレイアウト

 

図3. 対象となった姿勢のスクリーンの視認性の平均

エラーバーは標準偏差を表す。

 

Applied Ergonomics

研究者情報:茅原 崇德

研究者情報:坂本 二郎

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