後頭部への電流刺激によって身体のイメージ操作能力が上がる!

身体の空間イメージ操作の例

子どものこころの発達研究センターの三邉義雄センター長(医薬保健研究域医学系 教授),菊知充教授らの研究グループは,浜松医科大学と共同で,頭の表面に弱い直流電流を流す技術(経頭蓋直流電流刺激)を用いて,人の身体のイメージ操作能力(※1)を高めることが可能であることを確認しました。

経頭蓋直流電流刺激とは,1~2ミリアンペア程度のほとんど本人が気付かないくらい弱い直流電流を10~20分程度通すことにより脳神経の活動を変化させる方法で,近年,脳卒中後のリハビリや,うつ病などの治療への応用が期待され,世界中で研究されています。

今回,金沢大学と浜松医科大学では,陽電子放射断層撮影(Positron Emission Topography: PET ※2)による脳の可視化と,経頭蓋直流電流刺激による脳制御という2段階の実験を行いました。本研究の論文は,身体の視空間情報処理に関係する後頭部(外側後頭側頭皮質:視覚情報処理で重要な部位,図)を刺激することにより,身体のイメージ操作能力を高めることを世界で初めて示した論文となります。本研究の成果により,身体のイメージ操作能力の向上が認知機能の改善に作用し,リハビリが必要な人の早期回復など,人々の活力溢れる生活の実現につながる応用が期待されます。

本研究成果は,スイスの科学雑誌『Frontiers in Human Neuroscience』のオンライン版に日本時間平成29年4月11日午後5時に掲載されました。

 

 

図.外側後頭側頭皮質の場所

図の黄色部分。この部位の機能が低下すると,身体のイメージ操作能力が低下する。

 


【用語解説】
※1 身体のイメージ操作能力
身体の動きを脳内で想像する能力。運動学習において重要である。

※2 陽電子放射断層撮影
放射性の陽電子を入れたブドウ糖に近い成分を体内に注射し,その成分が多く集まる部分を測定するもの。主にがんの検査に使用される。

 


詳しくはこちら[PDF]

Frontiers in Human Neuroscience

研究者情報:三邉義雄

研究者情報:菊知充

 

 

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