自閉症スペクトラム障害児と両親の心理的状態が連動していることを解明!

子どものこころの発達研究センターの長谷川千秋博士研究員,菊知充教授らの研究グループは,自閉症スペクトラム障害(※1)と診断されている17人の幼児と両親を,およそ2年間にわたり追跡調査し,幼児の社会性の経年変化と,両親の心理的状態の変化の関連性を調査し,その結果,時間の経過とともに子どもの社会性が改善している場合に,両親の共感指数(※2)が向上するという関連性が判明し,一方で,子どもの社会性が低下している場合には,両親の共感指数が低下していることも示されました。親子(家族)の状態は連動していることを学術的に明らかにしたのは世界で初めてとなります。

本成果は,今後,自閉症スペクトラム障害児への支援を発展させていく際に,親子(家族)の包括的な理解が必要であることを示唆しています。

本研究は,Psychiatry Research(米国科学誌)オンライン版に6月11日に掲載されました。

 

※1自閉症スペクトラム障害

自閉症スペクトラム障害とは,対人関係やコミュニケーションの発達障害が主な症状であり,自閉症,アスペルガー症候群,特定不能の広汎性発達障害などが含まれる障害です。有病率は1%前後という高さで,幼少期には明らかになる障害です。この障害の特徴を早期から理解しておくことが重要であるため,最近は,親への早期の介入が重要視されつつあります。

 

※2 共感指数

共感指数(Empathy Quotient)とは,英国の心理学者Simon Baron-Cohenが開発した質問紙で,回答者の心理的状態における共感性のレベルを評価することが出来ます。 『他人の立場に立って考えることができる』,『他人の気持ちを直感的に理解することができる』,『人を世話することはとても楽しい』などの60項目から構成される質問紙です。

 

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