学際科学実験センターの西山智明助教と,独立行政法人農業生物資源研究所,カザン大学,沖縄科学技術大学院大学および基礎生物学研究所の研究グループは,アフリカ中央部の半乾燥地帯の岩盤地域に生息し,極度の乾燥条件に耐えうる能力を持つネムリユスリカのゲノム概要配列を解読し,干からびても死なないネムリユスリカに極限的な乾燥耐性をもたらす遺伝子多重化領域と乾燥時特有の遺伝子発現調節機構を発見することに成功しました。
現在,遺伝子を細胞に発現させるためには,薬剤処理や温度刺激を与える方法が主流となっており,今後,極限乾燥耐性をもたらす遺伝子を利用することで,iPS 細胞や受精卵,血液などの常温乾燥保存法の開発の促進が期待されます。
この研究成果は英科学誌『Nature Communications』オンライン版に9月12日付(日本時間)で掲載されました。