⽇機装、⽇本ベーリンガーインゲルハイム、⾦沢⼤学が共同研究 動物実験に代わり細胞実験で再現できる創薬研究⽤ヒト腎細胞の開発に成功 〜研究成果が Drug Metabolism and Disposition に掲載〜

掲載日:2023-7-21
研究

 ⽇機装株式会社,⽇本ベーリンガーインゲルハイム株式会社および⾦沢⼤学 医薬保健研究域薬学系の⽟井郁⺒教授らの研究グループは,世界で初めて,通常の培養条件では観察できなかった腎臓の機能を有した,創薬研究⽤ヒト腎細胞『3D-RPTEC』の開発に成功しました。

 従来のヒト腎細胞(HK-2 細胞や初代近位尿細管上⽪細胞)は,通常の培養環境では,⽣体の腎臓と⽐較して腎臓特有の機能の多くが失われていることが知られています(Jenkinson et al., Eur J Physiol, 2012)。そのため,創薬研究の現場では,多くの場合,動物実験により腎臓の評価を⾏ってきました。

 今回開発した技術は,創薬研究において,主に動物実験で⾏っていた薬物の評価を細胞実験に代替できること,また創薬プロセスの効率化に貢献することが期待されます。また,本研究成果により,⽇機装株式会社は創薬研究⽤ヒト腎細胞『3D-RPTEC®(スリーディーアールピーテック)』を製品化し,2023 年7⽉から正式販売を開始しています。今後,腎臓評価を予測するツールとして 3D-RPTEC を多くの研究現場で使っていただくことで,ヒト腎細胞を⽤いた細胞実験の標準化を⽬指しています。(※「3D-RPTEC」は⽇機装株式会社の登録商標です。)

 本 研 究 成 果 は,2023 年 6 ⽉ 29 ⽇ 科 学 誌 『Drug Metabolism and Disposition』に掲載されました。

 

 

 

 

 

 

 

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ジャーナル名:Drug Metabolism and Disposition

研究者情報:玉井 郁巳

 

 

 

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