9月23日から24日にわたり,先端科学・社会共創推進機構は金沢市内にて「金沢・熊本・岡山 三都市シンポジウム in 金沢」を開催し,金沢・熊本・岡山の商店街関係者をはじめ,各都市の自治体職員や平成17年から本学と連携を続ける熊本大学および岡山大学の教員,本学の教職員・学生など,2日間で延べ85名が参加しました。
本シンポジウムは,「まちづくり」「学都」などをテーマに,中心市街地の活性化や学生のまちづくりへの参加促進について,地域と大学が連携する意義を確認することを目的としたもの。今年度は金沢を舞台とし,「学都のこれまでとこれから -市民・学生とともに進めるまちづくり-」をテーマに開催しました。
第1日目は,山崎光悦学長によるあいさつの後,前金沢市長で金沢大学学友会会長の山出保氏による「伝統と創造 ~都市力と都市格~」と題した特別講演があり,山出氏が携わった茶屋街・寺院群保存や金沢21世紀美術館整備の事例などを紹介した上で,現代と伝統を共存させ,美しい景観を生かした金沢のまちづくりについて述べました。続いて,熊本大学まちなか工房の溝上章志代表および工学部の星野祐司准教授,岡山大学地域総合研究センターの岩淵泰准教授から地元商店街との協働事例の紹介があり,その後,佐川哲也人間社会学域地域創造学類長がファシリテーターを担当し,三都市の大学教員および商店街関係者によるパネルディスカッションを実施。各都市における取り組みを踏まえながら,学生がまちづくりに関わる利点や中心市街地での学生の学びについて活発に意見交換しました。
また第2日目には,金沢市の学生団体「金沢まちづくり学生会議」が,団体発足から現在に至るまでの活動紹介と株式会社ガクトラボの石原加奈子氏のファシリテートによるトークセッションを実施。聴講者の大学・行政・商店街関係者も巻き込みながら,各自が考えるまちづくりの課題や将来像を引き出した上で,学生の要望に応じたサービスの提供や学生と住民の交流の場の創出など,さまざまな議論を交わしました。
参加者はさまざまな立場からの事例紹介を受け,「学都」に関する取り組みや課題についての理解を深め,大学・学生・行政・住民の協働によるまちづくりの在り方を考えました。