過剰な炎症性刺激により誘発される血球貪食の発症メカニズムを解明!

医薬保健研究域医学系の華山力成教授らの研究グループは,マクロファージによる血球の貪食を誘発する炎症性刺激を明らかにしました。また,これらの炎症性刺激によって,マクロファージの細胞表面に発現が誘導され,血球の貪食を引き起こす受容体分子の同定にも成功しました。

免疫細胞の一種であるマクロファージは通常,死んだ細胞のみを選別し貪食(細胞内に取り込むこと)しますが,血球貪食症候群を発症すると,赤血球・血小板・リンパ球などの血球を生きたまま貪食するようになります。今後,この貪食機構の全容解明により,血球貪食症候群の新たな治療法の開発につながることが期待されます。

本研究成果は,2017年7月13日にCell PressとThe Lancetが共同で発刊する総合医学誌『EBioMedicine』のオンライン版に掲載されました。なお,本研究は科学技術振興機構さきがけ「慢性炎症」による支援を受けて行われました。

図1:血球貪食の発症機序モデル

過度の炎症性刺激によって,マクロファージの細胞表面に各血球に特異的な受容体の発現が誘導される。すなわち,骨髄細胞はVCAM1を介して,T細胞はICAM1を介して,B細胞はVCAM1とICAM1を介してマクロファージにつなぎ止められる。次に,マクロファージ内のRac1低分子量Gタンパク質が活性化によって,つなぎ止められた血球がマクロファージに取り込まれる。

 

図2:血球貪食の電子顕微鏡像

マクロファージに貪食された骨髄細胞(矢印)の図。細胞膜がきれいに保たれていて,マクロファージ内でも生きているのが確認できる。


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EBioMedicine

研究者情報:華山 力成

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