肝細胞増殖因子(HGF)の特異的抗体の開発に成功

掲載日:2016-9-12
研究

がん進展制御研究所の松本 邦夫教授,酒井 克也助教の研究グループは,東北大学大学院医学系研究科の加藤 幸成教授,金子 美華准教授,小笠原 諭助教および大阪大学蛋白質研究所の高木 淳一教授,海津 正賢特任助教の研究グループと共同で,ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療やがんの進行とも深く関わりのある肝細胞増殖因子(HGF)(※1)に対するモノクローナル抗体(※2)を作製することに成功しました。本研究で活性を持つ成熟型HGFのみを特異的に認識できる抗体や,活性を阻害する抗体の産生に成功したことにより,今後これらの抗体を利用してHGFシグナリングの活性化に必要な分子メカニズムを明らかにできることが期待されます。

本研究成果は,2016年9月9日午前10時(現地時間,日本時間9月9日 午後6時),英科学誌Scientific Reports(サイエンティフィック・リポーツ)に掲載されました。

 

※1 肝細胞増殖因子(HGF)
692アミノ酸もしくは697アミノ酸からなる糖タンパク質。アミノ末端領域(N),4つのKringle(K1-K4)領域,カルボキシル末端の活性を持たないセリンプロテアーゼ領域(SP)からなる。活性化に伴う切断はK4領域とSP領域の間で生じる。

※2 モノクローナル抗体
単一抗体のこと。血清から精製するポリクローナル抗体と異なり,抗体産生細胞から無限に生産が可能であり,抗体医薬に使われている。

 

詳しくはこちら[PDF]

Scientific Reports

研究者情報:松本邦夫
 研究者情報:酒井克也

 

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