自閉症児の脳内ネットワーク発達の特徴を捉える!

掲載日:2016-4-14
研究

子どものこころの発達研究センター三邉義雄センター長(医薬保健研究域医学系教授)らの研究グループは,産学共同の研究プロジェクトで,国内唯一の「幼児用脳磁計(Magnetoencephalography: MEG)」を活用した自閉症幼児の脳機能研究を推進し,自閉症幼児においては,音声に対する左右脳半球の反応のシンクロが乏しいことを発見しました。

脳には左右の半球がありますが,沢山のネットワークでつながっており,一側で生じた反応は反対側にも即座に伝わることが知られています。そして,成人自閉症者においては,左右をつなぐネットワークが少ない事が報告されていました。しかし幼児においては,脳の研究が困難であることから,十分には検討されてきませんでした。今回は,3歳から8歳の健常児50人と自閉症幼児50人を対象に,音声の情報処理に関わる,左右脳半球の反応を分析し,自閉症幼児においては左右半球のシンクロが低下していることを世界で初めて示しました。このことは,これまで調べることが困難であった自閉症幼児期の脳内ネットワーク発達の特徴を,幼児でも優しい検査方法で調べる事ができることを意味し,自閉症早期診断法確立に向けた一助となると期待されています。

本研究成果は,米国科学雑誌The journal PLOS ONEオンライン版に4月14日AM3時(日本時間)に掲載されました。

 

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※丸(破線)で示した成分が,自閉症幼児で,左右の同調性の低下が認められた音声への反応

 

詳しくはこちら[PDF]
 The journal PLOS ONE
 研究者情報:三邉 義雄

 

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