Researcher’s Voice #5
大宮 寛久 教授
医薬保健研究域薬学系

分子をつくりだす研究で創薬につなげる

 

大宮 寛久 教授

◆所 属:医薬保健研究域薬学系

◆専 門:有機合成化学

精密分子構築学研究室

 

触媒を駆使し創薬につながる有機分子をつくる

人々の健康や生活に欠かせない医薬や農薬などの多くは,有機分子から成り立っています。そのため,医薬や農薬などの候補となる有機分子を大量かつ効率的につくりだす(合成する)化学反応の開発は重要です。私たちは,「触媒を用いる有機合成」について研究しています。触媒は,それ自身は変化せず,化学反応を進みやすくする物質です。触媒を合理的かつ精密にデザインすることで,入手容易な化学原料から高い付加価値の有機分子をつくりだす革新的な化学反応を実現します。これにより,創薬研究の加速が期待されます。

 

 

 

産学連携研究で生まれた新しい化学反応

製薬企業との共同研究によって,金属元素を含まず有機化合物のみで構成される「有機触媒」と青色LEDの「光エネルギー」を組み合わせた触媒システムを設計しました。これを用いることにより,「炭素-酸素結合」をつなぐ化学反応の開発に成功しました(Journal of the American Chemical Society, 2020)。本反応で合成された炭素-酸素結合をもつ有機化合物は,医薬品開発の中核分子として応用でき,創薬につながる可能性を秘めています。

 

 

創薬研究で生命科学の未来を切り拓く

有機化学を駆使し,独創的な発想で「触媒」と「化学反応」をデザインすることで,効率的な分子合成に取り組んできました。有機合成の技術を一層発展させ,医薬・農薬の創出プロセスの効率化および新薬開発に貢献することにより生命科学研究を切り拓いていきたいです。