Students' Sparks

難しい課題にこそ、研究の面白さがある

自然科学研究科 自然システム学専攻 博士後期課程3年
石﨑 建ISHIZAKI,Takeru

HaKaSe+(ハカセプラス)選抜学生として、博士学位の取得を目指して研究に励む、自然科学研究科自然システム学専攻博士後期課程3年(取材当時)の石﨑 建さんに、博士後期課程の魅力や研究のやりがいについてお聞きしました。(インタビュー動画は公式研究instagramでご覧いただけます。4/7公開予定)

なぜ博士後期課程に進学されたのか、そのきっかけを教えてください。

 幼い頃から何かに熱中するタイプでした。例えば数学でも、難しい問題に対して模範解答を見ることなく、自分で考え続けるのが好きでした。そうした性格もあって、あらかじめ答えが用意されていない研究の世界に興味がありました。博士課程への進学は、指導教員の黒田浩介先生から「博士課程に進んでみないか」と声をかけていただき、ナノ精密医学・理工学卓越大学院プログラム(HaKaSe+ for WISE)について教えてもらったことがきっかけです。経済的な不安を抱えることなく研究に専念できる環境が整っていると知り、迷うことなく進学を決断しました。

どのような研究をされているのですか?

 「双性イオン」という物質に注目した研究を行っています。私たちが報告した双性イオンは、人工的に合成された分子でありながら、生体にやさしいという特徴を持っています。その安全性の高い性質を活かし、細胞を冷凍保存する際の添加剤や、薬剤を溶解するための溶媒として利用しています。毒性の低さを維持したまま分子構造を、目的に合わせて自在にデザインできる点が最大の魅力で、精子や卵子の凍結保存など、幅広いライフサイエンス分野への応用が期待されています。

 この「細胞の凍結保存」がメインテーマの研究に携わったのも、「一番わからなくて難しいテーマだからこそやりがいがある」という先生の言葉に惹かれて、「これしかない!」と感じたからです。

HaKaSe+を通して身に付いたスキルや経験はありますか?

 最初のラボローテーションで、他の研究室で研究に取り組む機会がありました。自分の研究は化学と生物学が混ざったような内容なのですが、生物学については分からないことも多かったこともあり、生物系の研究室でさまざまな実験を自分の目で見られたことはすごく良い経験でした。また、在学中に起業された方のお話も聞くことで、未知の領域に触れられたことも、大きな学びになりました。

HaKaSe+で役立った支援やプログラムを教えてください。

 生活面の支援に加え、研究費や旅費補助が受けられたことはとても助かりました。そのおかげで、フランス・リヨンとアメリカ・ミネソタで開催された国際学会に参加することができました。いろいろな人の研究発表を通して、特に今どのような研究がトレンドなのかを知れたのは、大いに刺激になりました。また、海外の方と英語で話す必要があり、語学力の向上にもつながりました。私の拙い英語でも、頑張れば伝わるという経験ができて、少し自信につながりました。

研究の息抜きはどのようにされていますか?

 昔からアウトドア系が趣味で、大学ではオリエンテーリング部で活動して自然がもっと好きになりました。最近は登山やトレイルランニングなどもしますし、金沢マラソンにも挑戦しました。タイムは全然良くなかったのですが、なんとか走り切ることができました。心身のリフレッシュも大切ですから、プライベートでは積極的に自然を楽しんでいます。

最後に将来の夢を聞かせてください。

 修了後は、企業の研究職としてこれからも研究を続けていく予定です。ただ、具体的な夢は自分の中にありません。それは意図的にしていることで、他の分野と関わりながら新しい領域を切り拓く「異分野融合」に挑戦していきたいからです。だから、今は分野を特定せずに、何にでも取り組んでいきたいと思っています。

 研究においては、「どれだけ論理的に証明できるか」と「どれだけ社会にインパクトを与えられるか」という2つのどちらが欠けてもダメだと考えています。それらを両立させられる研究者になることが、私の理想。常に自身の好奇心を刺激する「新しくて難しい課題」に向き合い、粘り強く考え続ける研究者であり続けたいです。

※所属・学年・年次などはすべて取材当時のものです。ご了承ください。

(ライター・木戸 珠代)

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