令和4年 学長年頭あいさつ

掲載日:2022-1-4
学長メッセージ

皆さん,新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。昨年同様この年末からの積雪により北陸らしい年始を迎えました。コロナもオミクロン株が徐々に感染拡大する中ではありますが,昨日までの渋滞状況を見る限り帰省や旅行で出かけた家族が少なくなかったようです。皆様には年末年始をいかがお過ごしでしたでしょうか。新しい年の年頭にあたり,ごあいさつを申し上げます。

一昨年に引き続き昨年一年間もコロナ禍への危機管理上,多くの行事が規模縮小または中止,延期を余儀なくされる中,昨年7月,8月には関係の皆様方のご努力のおかげで本学学生,教職員そして近隣大学も含め,約11,000人のワクチン接種が着実に実施できました。そのおかげもあって10月以降の第3クオーター,第4クオーターの授業では,一部で遠隔と対面のハイブリッド型を交えながらも,対面を原則とする従来の形式で授業が実施できております。

ポストコロナを見据え,遠隔授業の経験,ICTの利点を活かしたハイブリッド型の新しい教育方法への転換に迫られています。留学生の受入れや海外大学との交流,学生の海外派遣についても,リアル+オンライン,そして今後はデジタル・トランスフォーメイション(DX),バーチャル・リアリティ(VR)/オーグメンテッド・リアリティ(AR)などの技術の活用が期待できます。

さて,私の学長職も残すこと3ヵ月足らずとなりました。次期の和田体制へのスムーズな引継ぎに向けてラストスパートです。学士課程教育では,昨年4月から金沢大学<グローバル>スタンダード(KUGS)に新たに第6群を設け,文理融合型のSTEAM教育を開始しました。また融合学域では2番目の観光デザイン学類をこの4月からスタートさせます。さらに3番目の学類,スマート創成科学類(仮称)を令和5年4月にスタートさせるべく,カリキュラム,教員体制の最後の詰めが残されています。また大学院教育では卓越大学院プログラムや大学フェローシップ創設事業,次世代研究者挑戦的研究プログラムなど我が国の大学院教育改革を先導する取組みを受けて,本学でも博士後期課程,博士課程教育を大きく改革しようとしています。

研究力強化では,統合創成研究環構想において,総合知による新たな価値の創出に向けた異分野融合研究を推進すべく,若手研究者育成を中心とするフラグシップ研究所群の新たなマネージング構想やURAの金沢モデル構築による研究支援体制の強化など,着々とその準備を進めていただいています。

また国立大学改革強化推進補助金の国立大学経営改革促進事業では,昨年本学が中心となって提案した北陸4国立大学の連携による事業が採択されたことを受け,地方創生のための新たなプラットフォーム「北陸未来共創フォーラム」を創設しました。経済界,第一次産業を含めた産業界,自治体との連携活動を強化し,資金の還流をもって経営力強化を加速させる基盤づくりが完成します。また産学連携の面では,株式会社ダイセルからの支援を受けて自然科学3号館Cブロックに建設中の新産学協働研究拠点(仮称)の本年秋の竣工を目指しております。

加えて,令和4年度から始まる第4期中期目標期間に向けては,大学を取り巻く多様なステークホルダーとの相互理解・信頼を築く「エンゲージメント型の大学経営」を基盤に据えながら,金沢大学の将来構想を踏まえた取組みの骨子,種々の教育改革や組織再編,研究力強化,国際化,先進医療と地域貢献,そして人事・ガバナンス改革など全ての項目において,その骨格,大学改革をさらに推進するための方針など,中期計画の策定をほぼ終えました。現在,YAMAZAKIプランの総決算と部局別の将来構想の詳細について,大学改革推進委員会を中心に全学的に議論を深めており,金沢大学のさらなる改革と挑戦を着実に進めるための方向付けを3月末までに終え,次期の和田体制に引継ぎます。

さて,年末に閣議決定された令和4年度予算の内示では,教学マネジメントセンターを核とする未来創成教育環構想や古代文明研究所の新設と高度モビリティ研究所の人員増を核とする統合創成研究環構想などの人員要求,事業費などある程度の規模で認められた模様です。また第3期中期目標期間中に措置された各種事業の人件費の全てが基幹経費化されたことも大きな成果です。一方,施設整備の要求では保健学類2号館の改修をはじめ要求したほとんどの事項が認められました。一方,機能強化の分類別の共通指標に基づく配分では,総額が1,000億円に据え置かれたものの,減額・増額幅が±25%に拡大されましたので,第3類型「世界卓越型」を選択した本学はさらに苦しい対応に迫られそうです。

4月以降に想定される3回目のワクチン接種の準備も着実に進めます。しかしながら新たに迎えた令和4年は,コロナ禍が終息することを願いながらも,ポストコロナで社会が大きく変革を遂げる激動の年となることは確実でしょう。本学にとっても,このピンチをチャンスに変える好機ととらえ,DXを武器に,引き続き大きな飛躍を目指す基盤をさらに強固にする年と位置づけます。今こそ,日本のイノベーションを金沢大学から引き起こし,地方創生と日本経済の再生,国際競争力の復活の契機としましょう。皆さんの力を結集し,永遠に躍進し続ける,「世界に輝く金沢大学」を教職員一人一人の努力で実現することこそが,我々に与えられたミッション,私はそう信じております。皆さん,どうか今年も宜しくお願いいたします。

 

 

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