オーストリア ウィーン大学

掲載日:2024-7-16

ウィーン大学

2022年度 ヨーロッパ〈オーストリア〉

M.N.(人文学類 3年)

私が派遣留学しようと決めたのは突然でした。すでに高校でオーストリアへの1年間の交換留学を経験していたので、新型コロナウイルスの流行もあり、2回目の留学はもういいかなと思っていました。しかし、2年生の後半、友人からウィーン大学と金沢大学の提携が決まったことを聞き、ちょうど副専攻や卒論のテーマなど学業で行き詰まりを感じていたことも相まって留学を決めました。ウィーンなら高校留学で行ったので土地勘や人間関係がすでにあり、ほかの留学先よりも勉強に集中できるという安心感があったからです。

私が留学したいと思った時はすでに1次募集が終わっていたので、直接担当の先生にアポをとって留学について話を聞きに行きました。通常留学説明会があると思いますが、私のように突然留学を決めて説明会に間に合わなくても、あきらめずに先生にアポを取ってみるといいと思います。

「言語は現地で学べる」という言葉をよく聞きますが、私が留学前の準備としてしっかり現地の言葉を勉強しておくべきだと思います(仮に派遣先大学から語学レベルの指定がなかったとしてもです)。ウィーンは比較的英語だけでも生活しやすい都市なのですが、それでも近所の人や知らない人とのコミュニケーションはドイツ語が多少できたほうがスムーズになります。また、ウィーン大学付属の語学学校にはタンデム制度がありますが、ドイツ語ができる人のほうがタンデムが見つかりやすかったです。

また、留学準備の1つに「ビザ申請用の書類を集める」というのがあると思います。私が留学した時は日本で書類を集めて現地で申請するというシステムでした。留学に行けるのがうれしくてはやる気持ちもわかりますが、書類には有効期限があるので計画的に集めたほうがいいです。私は留学が楽しみすぎて有効期限3か月の書類を出発3か月前にとってしまい、現地に到着してから急いで申請に行くことになってしまいました。まだ慣れていない国で慣れない申請を1人でするのは大変だと思うので、ぜひ私の失敗談を役立ててください。余裕をもって準備するのも大事ですが、有効期限の余裕もそれと同じくらい重要だと身に染みて感じました。

はじめての留学での悩み事といえば、「友達が作れるか心配」というのがあると思いますが、ウィーン大学ならこれは心配いらないと思います。ウィーン大学には東アジア学部日本学科があり、毎週水曜日の夜に飲み会(という名の交流会で日本のいわゆるお酒のでる「飲み会」ではありません。念のため)があります。ここでは日本語を学ぶ日本学の学生と日本人の留学生が集まって情報交換したり友達を作ったりしています。開催時間や場所などの情報は日本学のFacebookで見ることができるのでチェックしてみるのをおすすめします。

私は副専攻で日本語教育をとっていて、留学中にも日本学の日本語の授業でアシスタントをさせてもらいました。副専攻のカリキュラムでも模擬授業などがありますが、やはり大学生のうちに実際の現場を見られたことはとても大きなアドバンテージになったと思います。帰国してからは日本語教育能力検定試験を受け、無事に合格することができました。この試験は小論など実践的な問題もあるので、留学中の授業アシスタントの経験を生かすことができました。私は将来的に日本語教師になりたいと思っていて、今回の留学では実践的でとてもいい経験ができたと思います。また、ウィーン大学の大先輩には有名な心理学者のフロイトがいて、理系キャンパスの近くにはフロイト博物館があります。私の主専攻は日本文学なので、たびたびフロイト博物館に行って情報収集したり、併設のカフェで勉強したりしてフロイトについて学びを深めることができました。

さて、派遣留学を考えていても、ウィーン大学は金沢大学と提携を結んだばかりであまり体験談がなく、不安かもしれません。しかし、ウィーン大学自体はすでに世界中のたくさんの大学と提携を結んでおり、留学生の受け入れシステムはしっかりとしている印象がありました。また、ウィーンも街も非常に多国籍で、街レベルで外国人の受け入れに慣れていて留学先としておすすめできると感じました。なので、ウィーン大学が気になっている方はぜひ思い切って挑戦して欲しいと思います。

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