- 開催日・期間
- 2026年3月19日(木)17:00~18:00
- 開催場所
- 金沢大学 角間キャンパス 未来知実証センター 3階オープンフロア
イベント内容
現在の動物界で最も繁栄している昆虫類において,全種数の約20%を占めるハチ目寄生蜂のグループは,他種昆虫やクモなどの体内外に産卵して宿主(寄主)の資源を利用します。中でも,宿主体内に産卵する内部寄生蜂は,卵とともに毒成分を打ち込むことにより,麻酔や免疫系の抑制などを介して宿主の発生,生理状態を操作することが報告されています。しかしながら,それらの寄生蜂毒の分子実態や宿主の細胞レベルでの応答には,未だ不明な点が多く残されています。
筑波大学の生存ダイナミクス研究センター島田 裕子准教授は,寄生蜂ニホンアソバラコマユバチAsobarajaponicaが,宿主ショウジョウバエに感染した際に,宿主幼虫の予定成虫組織(成虫原基)が著しく縮退することを見出しました。島田先生は,この現象を imaginaldiscdegeneration(IDD)と名付け,IDDがアポトーシスとオートファジーの誘導,そして細胞分裂の停止を伴うことを示しました。そして,この IDDの分子的実態に迫るために,全ゲノム解読と遺伝子ノックダウン(RNAi)法の開発を行い,寄生蜂由来の新規分泌性タンパク質 Imaginaldiscdegenerationfactor(IDDF)-1とIDDF-2を同定しました (Kamiyamaetal,SciAdv,2025)。現在は,この IDDFの作用機序や寄生蜂種間での IDDF遺伝子の保存性について解析しています。
セミナーでは,島田先生に寄生の分子機構の多様性を紹介していただくとともに,ショウジョウバエがんモデルを利用した新たな毒遺伝子の探索方法も解説していただきます。
- 参加方法
- 申し込み不要です。当日,会場へお越しください。
- 添付ファイル
お問い合わせ先
金沢大学 新学術創成研究機構 免疫ネットワーク研究ユニット・がん進展制御研究所 免疫環境ダイナミクス研究分野 教授 岡本 一男
TEL:076-264-6726
