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学域長挨拶

金沢大学医薬保健学域・研究域長

堀   修

Osamu Hori

 金沢大学は1862年の加賀藩彦三種痘所開設に始まり,国立大学としては日本で3番目に古い歴史を有します。この間,医学・医療の分野では高安病(高安動脈炎)の発見や癌免疫療法薬剤の発明など,世界に誇る研究を発信するとともに,地域医療の中核として社会に貢献し続けて参りました。また,2008年には8学部25学科から3学域16学類への大規模な教育組織再編を行い,医薬保健学域の下で医学類,薬学類,創薬科学類,保健学類が連携しやすい体制を構築しました。そして現在,金沢大学医薬保健学域・研究域は,他に類のない融合研究,融合教育を推進しております。

 まず,2017年に文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択されたのを機に,医薬保健研究域では,ナノ生命科学研究所,理工研究域と連携し,新たな医学・理工学融合研究を開始しました。その成果は既にトップジャーナルに数多く報告されております。また、2020年には,超高齢化が進む現在の日本と将来の世界に共通する持続可能な健康長寿社会モデルを確立するため,研究域内外の教員が結集してAIホスピタル・マクロシグナルダイナミックス開発研究センターを設置しました。AIを活用した新たな医療・福祉ネットワークの構築と,それに利用した臨床研究推進が期待されています。

 教育面では, 2019年に文科省卓越大学院プログラム「ナノ精密医学・理工学卓越大学院プログラム」が採択され,ナノ精密技術を基盤とした医学・理工学融合教育を実現しました。広い専門性及び高い課題解決力を持つ,新たな医療人材,理工系人材の育成を目指しています。更に2021年には,医学・創薬分野における基礎研究者養成を強化する目的で,新たに医薬科学類を設置しました。今後,医薬保健学総合研究科と連携して医薬科学類に続く大学院の整備を行う予定です。

 超高齢社会の到来に加え,未知の感染症拡大や地球規模の環境変動など,私たちを取り巻く環境は,日々,目まぐるしく変化しております。医療の分野でも,専門性を生かして個々の課題を解決することに加え,広い視野に立ち,これまで経験したことがないような広範囲に及ぶ課題も克服できる人材が求められています。私たち医薬保健学域・研究域はそのような人材を育成するため,研究と教育の両面に全力で取り組んでいます。

 金沢は歴史に触れることができる観光都市であるとともに,自然に恵まれ,四季を感じながら勉学にいそしむことができる文化都市でもあります。是非とも若い方々に金沢大学で私たちが誇る融合研究や融合教育を体感して頂き,今後,金沢から世界に向け医療イノベーションを発信する人材になって頂きたいと考えております。皆様のお越しをお待ちしております。

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