○金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソトープ総合研究施設放射線障害予防規程
(令和3年4月1日規程第3609号)
改正
  
令和6年9月1日規程第4198号
目次

第1章 総則(第1条-第3条)
第2章 組織及び職務(第3条の2-第15条)
第3章 放射線施設等の維持及び管理(第16条-第19条)
第4章 管理区域等(第20条・第21条)
第5章 使用,保管,運搬及び廃棄等(第22条-第28条)
第6章 測定(第29条-第30条の2)
第7章 教育及び訓練(第31条)
第8章 健康診断(第32条・第33条)
第9章 記帳及び保管(第34条)
第10章 災害時及び危険時の措置(第35条-第39条)
第11章 情報の提供(第40条)
第12章 業務の改善(第41条)
第13章 放射線管理状況の報告(第42条)
第14章 規程の改廃(第43条)
附則

第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は,放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法」という。),金沢大学における放射性同位元素等の規制に関する管理規程及び関係法令等の規定に基づき,金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソトープ総合研究施設(以下「RI総合施設」という。)における放射性同位元素及び放射性同位元素により汚染された物(以下「放射性同位元素等」という。)の取扱いに係る放射線障害予防を図ると共に,放射線を放出する同位元素の数量などを定める件により定められた下限数量以下の密封されていない放射性同位元素(以下「下限数量以下RI」という。)の管理区域外の場所(以下「管理区域外使用区域」という。)での取扱いを規制することにより,公共の安全を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号の定めるところによる。
(1) 放射性同位元素 法第2条第2項に定める放射性同位元素をいう。
(2) 放射線施設 放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則(以下「施行規則」という。)第1条第9号に定める使用施設,貯蔵施設及び廃棄施設をいう。
(3) 事業所 放射性同位元素等の規制に関する法律施行令第3条第1項に定める事業所をいう。
(4) 管理区域外使用区域 管理区域外で下限数量以下RIの使用を許可された場所をいう。
(5) 取扱等業務 放射性同位元素等の取扱い,管理又はこれに付随する業務をいう。
(6) 理事 研究担当理事をいう。
(7) センター長 金沢大学疾患モデル総合研究センター長をいう。
(8) 施設長 金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソトープ総合研究施設細則に定めるRI総合施設の長をいう。
(9) 取扱者 取扱等業務を施設長から許可された者をいう。
(10) 一時立入者 取扱者以外の者で,一時的にRI総合施設の管理区域(以下「管理区域」という。)に立ち入る者をいう。
(11) 所属部局長 取扱者が所属する部局の長をいう。
(規則等の制定)
第3条 施設長は,法及びこの規程に定める事項を実施するために,次に掲げる細則等を別に定めるものとする。
(1) 金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソトープ総合研究施設放射線障害予防細則(以下「予防細則」という。)
(2) 金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソトープ総合研究施設利用要項(以下「利用要項」という。)
(3) 金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソト-プ総合研究施設における下限数量以下RIの管理区域外使用区域内の使用要項(以下「管理区域外使用区域内使用要項」という。)
(4) 金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソトープ総合研究施設自主点検実施要項(以下「自主点検実施要項」という。)
(5) 金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソトープ総合研究施設火災時消防活動要項(以下「火災時消防活動要項」という。)
(6) 金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソトープ総合研究施設地震対策要項(以下「地震対策要項」という。)
(7) 金沢大学疾患モデル総合研究センターアイソトープ総合研究施設記録,記帳及び保管要項(以下「記録,記帳及び保管要項」という。)
第2章 組織及び職務
(学長の責務)
第3条の2 学長は,金沢大学(以下「本学」という。)における放射線施設の安全管理に関する最終責任者であり,放射線施設の安全管理を推進するとともに,必要な措置を講じなければならない。
2 理事は,学長を補佐し,安全管理の推進に努めなければならない。
(安全管理組織)
第4条 施設における放射線障害の防止に関する安全管理組織は,別図1のとおりとする。
(放射性同位元素委員会)
第5条 放射性同位元素委員会(以下「同位元素委員会」という。)については,金沢大学放射性同位元素委員会規程の定めるところによる。
(施設長)
第6条 施設長は,放射線障害の防止,RI総合施設の維持及び管理運営に関する総括責任者とする。
2 施設長は,第8条に定める放射線取扱主任者(以下「主任者」という。)が法及びこの規程に基づき行う意見の具申を尊重しなければならない。
3 施設長は,前条に定める同位元素委員会及び次条に定める安全委員会がこの規程に基づき行う答申又は意見の具申を尊重しなければならない。
4 施設長は,RI総合施設の安全管理上必要な措置を講じなければならない。
5 施設長に欠員が生じた場合又は職務を果たせない状態にある場合は,主任者,施設管理責任者,安全管理責任者又はその他安全委員会が必要と認めた者が,この規程に定める施設長の責務を代行する。
(安全委員会)
第7条 放射線障害の防止について必要な事項を審議するため,RI総合施設に,安全委員会を置くものとする。
2 委員長は施設長をもって充てる。
3 安全委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 施設長
(2) 主任者
(3) 第10条に定める施設管理責任者
(4) 第12条に定める安全管理責任者
(5) その他安全委員会が必要と認めた者
4 前項第5号の委員の任期は,2年とする。ただし,再任を妨げない。
5 前項の委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。
6 安全委員会は,次に掲げる事項を調査し,又は審議し,施設長及びセンター長に具申する。
(1) RI総合施設における放射線施設の新設,改廃並びに管理区域の設定,変更及び廃止に関すること。
(2) 事業所境界の変更並びに事業所内における管理区域外使用区域の設定,変更及び廃止に関すること。
(3) 取扱者の登録許可,許可の取消し及び放射性同位元素の取扱い制限並びに教育訓練の方針に関すること。
(4) 放射線安全管理についての調査,検討及びその改善に関すること。
(5) RI総合施設利用申込者に係る利用方法の安全審査に関すること。
(6) 主任者及び主任者の代理者の選考及び解任に関すること。
(7) その他放射線障害の防止に関し必要な事項
7 安全委員会は,前項各号(第5号を除く。)に規定する事項を調査し,又は審議する場合は,主任者の意見を聴かなければならない。
(主任者等)
第8条 RI総合施設に,主任者を1人以上置くものとする。
2 主任者は,第1種放射線取扱主任者免状を有する者のうちから,安全委員会の意見を聴いて,センター長が推薦し,学長が任命する。
3 前項の主任者を解任するときは,センター長からの解任理由に基づき,学長が解任する。
4 主任者を複数名置く場合は,施設長がうち1名を正主任者,その他の者を副主任者として選任する。
5 正主任者は,次条に定める職務を行い,副主任者は正主任者を補佐する。
6 正主任者は,施設長との連携を密にし,この規程の定めるところに従い,放射線障害の防止について監督する。
7 正主任者が旅行,疾病その他の事故等により,次条に定める職務を行うことができない場合は,当該期間中その職務のすべてを副主任者が代行する。
8 任命されたすべての主任者が旅行,疾病その他の事故等により,職務を行うことができない場合は,当該期間中その職務のすべてを代行させるため,主任者の代理者(以下「代理者」という。)を置くものとする。
9 代理者は,第1種放射線取扱主任者免状を有する者のうちから,安全委員会の意見を聴いて,センター長が任命する。
10 センター長は,30日以上にわたり任命されたすべての主任者が職務を行えない場合は,学長を通じて原子力規制委員会に代理者の選任の届出をしなければならず,また,解任した場合は,解任の届出をしなければならない。
11 主任者は,取扱者が関係法令,この規程若しくは主任者の指示等に違反し,又は取扱能力に欠けると認められる場合は,当該取扱者の放射性同位元素等の取扱いを制限し,又は許可を取り消すことを施設長及び安全委員会に勧告することができる。
12 学長は,主任者の資質の向上を図るため,次に掲げる期間ごとに,法で定める定期講習を受けさせなければならない。
(1) 主任者任命日から1年以内(ただし,主任者任命日の前1年に受講した者は,その受講日の翌年度の4月1日から3年以内)
(2) 主任者任命後,定期講習を受講し,その任命日から引き続き主任者である者は,当該受講日の翌年度の4月1日から3年以内
(主任者の職務)
第9条 主任者は,RI総合施設における放射線障害の防止に係る監督に関し,次に掲げる職務を行うものとする。
(1) この規程及び第3条各号に掲げる細則等の制定及び改廃への参画
(2) 放射線障害防止上重要な計画作成への参画
(3) 教育訓練の計画等に対する指導及び指示
(4) 危険時の措置等に関する対策への参画
(5) 法に基づく申請,届出,報告の確認及び審査
(6) 立入検査等の立会い
(7) 第35条から第38条までに定める災害時及び危険時の対応
(8) 異常及び事故の原因調査への参画
(9) 施設長及びセンター長に対する意見の具申
(10) 施設,使用状況等及び帳簿,書類等の確認及び監査
(11) 取扱者への監督及び指導
(12) 関係者への助言,勧告及び指示
(13) 安全委員会の開催の要求
(14) その他放射線障害防止に関する必要事項
(施設管理責任者)
第10条 RI総合施設に,施設管理責任者を置く。
2 施設管理責任者は,RI総合施設の点検,維持及び管理運営に関する業務を総括する。
3 施設管理責任者は,施設長が任命する。
(施設管理担当者)
第11条 RI総合施設に,施設の管理業務を行うため,施設管理担当者を置く。
2 施設管理担当者は,施設長が任命する。
3 施設管理担当者は,主任者及び施設管理責任者との連携を密にし,次に掲げる業務を行う。
(1) 施設・設備の維持及び保守
(2) 前号に関する記帳,記録の管理及び保管
(3) 第17条に基づく自主点検
(4) 作業環境の保全
(5) 排水設備の運転
(6) 排気設備の運転
(7) 空調設備の運転
(8) 高圧ガス設備及び危険物の保守管理
(9) その他施設・設備の維持及び管理に必要な業務
4 前項の業務及びこれらに係る改善措置は,必要に応じ,業者に請け負わせて行うことができる。
5 第3項の業務分担は,施設長が定める。ただし,業務分担者がその業務を行うことができない場合は,直ちに代行できる管理体制を整備し,不測の事態に備えるものとする。
(安全管理責任者)
第12条 RI総合施設に,安全管理責任者を置く。
2 安全管理責任者は,放射線の安全管理に関する業務を総括する。
3 安全管理責任者は,施設長が任命する。
(安全管理担当者)
第13条 RI総合施設に,放射線管理業務を行うため,安全管理担当者を置く。
2 安全管理担当者は,施設長が任命する。
3 安全管理担当者は,主任者及び安全管理責任者との連携を密にし,次に掲げる業務を行う。
(1) 取扱者の登録手続き
(2) 利用申請書等の受付及び許可書の交付
(3) 一日最大使用数量,3月間使用数量及び年間使用数量が承認内容に即した使用となっているのかの確認
(4) 管理区域に立ち入る者の入退域,放射線被ばく及び放射性汚染の管理
(5) 放射性同位元素の受入れ,払出し,使用,貯蔵,廃棄及び運搬に関する管理
(6) 下限数量以下RIの持ち出し,持ち帰りに関する管理
(7) 関係法令で定められた場所の放射線の量及び放射性同位元素による汚染状況の測定
(8) 個人被ばく線量の測定,算定及びその結果の記録の交付
(9) 健康診断の計画の立案及びその実施並びにその結果の記録の交付
(10) 教育及び訓練の計画立案並びにその実施
(11) 放射性廃棄物の処理,保管及び廃棄業者への引渡し
(12) 放射線測定器,研究機器等の管理及び保守
(13) 危険時及び事故の措置
(14) 第18条に定める自主点検
(15) 第1号から前号までに関する記録の管理及び保管
(16) 管理区域内で使用するガス,安全管理用消耗品及び放射線測定器,研究機器等の消耗品の点検及び補充
(17) 取扱者に対する放射性同位元素の取扱指導及び機器類の取扱説明
(18) 放射線作業の安全にかかわる技術的事項に関する業務
(19) 物品及び危険薬品の搬入及び搬出手続き
(20) 他の放射線施設の部局長等又は同位元素委員会の委員長の要請に応じた全学的放射線安全管理業務
(21) 関係法令に基づく申請,届出等の事務手続き,関係省庁との連絡,RI総合施設の管理運営等の事務的事項に関する業務
(22) その他放射線障害防止に必要な業務
4 前項の業務及びこれらに係る改善措置は,必要に応じ,業者に請け負わせて行うことができる。
5 第3項の業務分担は,施設長が定める。ただし,業務分担者がその業務を行うことができない場合は,直ちに代行できる管理体制を整備し,不測の事態に備えるものとする。
(取扱責任者)
第14条 取扱者は,放射性同位元素の取扱業務を行う場合には,研究グループごとに当該業務に従事する者のうちから取扱責任者を定め,施設長に報告しなければならない。
2 取扱責任者は,当該研究グループにおいて,次に掲げる業務を行う。
(1) 放射性同位元素等の取扱いに関して取扱者に対する適切な監督及び指導
(2) 安全管理に関する施設長等からの連絡に関する周知
(3) 下限数量以下の非密封放射性同位元素の管理区域外使用区域での適切な使用及び安全な管理に関して取扱者に対する適切な監督及び指導
(4) その他業務上の安全に関する業務
(取扱者の登録等)
第15条 取扱等業務を行う者は,所属部局長の許可を得て施設長に所定の申請書を提出しなければならない。
2 施設長は,第31条の規定に基づく所要の教育及び訓練並びに第32条第1項の規定に基づく健康診断を受け,取扱等業務を行うことが適当と認められる者にこれを許可し,放射性同位元素等取扱者名簿に登録するものとする。この場合において,施設長は,必要に応じて申請者の放射線作業の安全に係る事項等を審査することができる。
3 施設長は,登録後においても必要に応じて,取扱者の放射線作業の安全に係る事項等を審査することができる。
4 第2項の登録の有効期間は,RI総合施設が定めた登録日から12月後の月末日までとし,有効期間の満了月に翌年度の登録申請手続きを行った者は,継続登録者として有効期間の翌月から12月間も引き続き登録されるものとする。
5 施設長は,取扱者が関係法令,この規程若しくは主任者の指示等に違反し,又は取扱能力に欠けると認められる場合は,安全委員会の議を経て当該取扱者の取扱等業務を制限し,又は許可を取り消すことができる。
6 施設長は,登録を許可した者の氏名を所属部局長及び同位元素委員会の委員長に通知するものとする。
7 取扱者の登録及びRI総合施設利用の許可に関しては,第1項から前項までの規定によるほか,予防細則,利用要項,管理区域外使用区域内使用要項(以下「予防細則等」という。)に定めるところによる。
第3章 放射線施設等の維持及び管理
(放射線施設の新設,変更及び廃止)
第16条 施設長は,放射線施設の新設,変更及び廃止をしようとするときは,関係書類を作成し,同位元素委員会の安全審査を受けなければならない。
2 施設長は,前項の施設の新設,変更又は廃止が完了したときは,その旨をセンター長を経由して理事及び学長に報告しなければならない。
(放射線施設の自主点検及び維持管理)
第17条 施設長は,自主点検実施要項に従い,RI総合施設が法に定める基準に適合するよう維持するため,定期的に放射線施設の巡視を行い,点検は少なくとも年1回以上行なうこととする。
2 施前項の自主点検は,施設長の指示により施設管理担当者が行うものとし,自主点検の結果,異常を認めたときは,その状況及び原因を調査し,必要な応急措置を講ずるとともに,施設管理責任者に通報しなければならない。
3 前項の通報を受けた施設管理責任者は,主任者を経由して施設長に報告しなければならない。
4 前項の報告を受けた施設長は,直ちに必要な措置を講ずるとともに,主任者,施設管理責任者と協議の上,再発の防止に必要な対策を講ずるものとする。また,取扱者及び公共の安全の確保が困難となるおそれがある場合は,RI総合施設の全部又は一部の使用を停止して,対処するものとする。
5 施設長は,第1項,第2項及び前項の自主点検及び改善措置を行う場合は,施設管理担当者の立会いの上,業者に請け負わせることができる。
6 施設長は,第3項の報告の内,施設長で対処できない異常については,センター長を経由して,理事及び学長に報告しなければならない。
(放射線安全管理の自主点検)
第18条 施設長は,自主点検実施要項に従い,放射線安全管理を徹底させるため,次に掲げる事項について,少なくとも年1回以上,自主点検を行なうこととする。
(1) 法に定める記録及び記帳の点検
(2) 放射線測定機器等の点検
(3) 核種別の保管量及び保管状況の調査
(4) 実効線量限度を超えて被ばくする可能性がある場合,合理的に,できる限り低減するために必要な線量分布等の実態調査
(5) 取扱者の利用状況調査
(6) その他放射線障害の防止に関し必要な事項
2 前項の自主点検は,施設長の指示により安全管理担当者が行うものとし,自主点検の結果を安全管理責任者に報告しなければならない。
3 前項の報告を受けた安全管理責任者は,主任者の確認を受けるとともに,異常又は問題があると判断したときは,施設長に報告しなければならない。
4 前項の報告を受けた施設長は,必要に応じ取扱者及び公共の安全確保に必要な措置を講じなければならない。
5 施設長は,第1項及び前項の自主点検又は改善措置を行う場合は,安全管理担当者の立会いの上,業者に請け負わせることができる。
(放射線施設等の改善措置)
第19条 施設管理責任者及び安全管理責任者は,第17条第4項及び前条第4項の改善措置を行う場合は,相互に協議の上,その実施計画書を作成し,主任者及び施設長の承認を受けなければならない。ただし,保安上特に軽微と認められるものについてはこの限りでない。
2 施設長は,前項の承認を行う場合において,必要があると認めるときは,その安全性,安全対策等について安全委員会に諮問することができる。
3 施設管理責任者及び安全管理責任者は,第1項の改善措置を終えたときは,その結果について,主任者を経由して施設長に報告しなければならない。
4 施設長は,前項の報告を受けたときはセンター長に報告しなければならない。ただし,保安上特に軽微と認められるものについてはこの限りではない。
第4章 管理区域等
(管理区域)
第20条 施設長は,放射線障害の防止のため,施行規則第1条第1号に定める場所を管理区域として指定しなければならない。
2 安全管理責任者は,次に掲げる者以外の者を,管理区域に立ち入らせてはならない。
(1) 取扱者
(2) 一時立入者として主任者又は安全管理担当者が認めた者
3 管理区域に立ち入る者は,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 定められた出入口から出入りするものとし,出入りする際は,専用のスリッパに履き替えること。
(2) 管理区域への立ち入り及び退出,取扱等を記録すること。
(3) 管理区域内において飲食,喫煙,化粧等放射性同位元素を体内に摂取するおそれのある行為を行わないこと。
(4) 取扱者は,主任者,安全管理責任者又は安全管理担当者が放射線障害を防止するために行う指示その他施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(5) 一時立入者は,主任者,安全管理担当者又は取扱者が放射線障害を防止するために行う指示,その他,施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(6) 管理区域から退出するときは,汚染検査室で,身体,衣服等の汚染検査を行い,汚染が検出された場合は,安全管理担当者に連絡するとともに,直ちに除去のための措置をとること。汚染除去が困難な場合は,主任者に連絡し,その指示に従うこと。
4 安全管理責任者は,管理区域の入口の目につきやすい場所に取扱いに係る注意事項を掲示し,管理区域に立ち入る者に遵守させなければならない。
(線量限度)
第21条 取扱者の実効線量限度は,次に掲げるとおりとする。
(1) 平成13年4月1日及びその5年後ごとの4月1日を始期とする5年間に100ミリシーベルト。ただし,4月1日を始期とする1年間については50ミリシーベルト
(2) 女子(妊娠する可能性がないと診断された女子及び妊娠中の女子を除く。)については前号に規定するほか,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする3月間に5ミリシーベルト
(3) 妊娠中である女子について,本人の申出等により施設長が妊娠の事実を知ったときから出産までの間につき,内部被ばくについて1ミリシーベルト
2 取扱者の等価線量限度は,次に掲げるとおりとする。
(1) 眼の水晶体については,令和3年4月1日及びその5年後ごとの4月1日を始期とする5年間に100ミリシーベルト。ただし,4月1日を始期とする1年間については50ミリシーベルト
(2) 皮膚については,4月1日を始期とする1年間につき500ミリシーベルト
(3) 妊娠中である女子の腹部表面については,前項第3号に規定する期間につき2ミリシーベルト
3 主任者は,放射性同位元素等の使用等を行う者に対して,当該者の線量が前項に掲げる値を超えないように,作業時間の短縮,遮へい物の配置,線源との距離の増大等管理上の適切な措置を講じなければならない。
第5章 使用,保管,運搬及び廃棄等
(取扱者の義務)
第22条 取扱者は,放射性同位元素等を使用する場合は,管理区域において取り扱わなければならない。
2 取扱者は,放射性同位元素等を取り扱う場合は,第20条第3項及び前項に定めるもののほか,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 管理区域内の放射性同位元素による汚染のおそれのある場所に立ち入る場合,専用の作業衣,ゴム手袋等を着用するものとし,これらを着用したまま管理区域外へ出てはならない。
(2) 個人被ばく線量計を,指定した位置に着用しなければならない。
(3) 使用目的に応じて,放射線障害の発生するおそれの最も少ない方法を採用しなければならない。
(4) 取扱等業務の経験の少ない者は,単独で作業をしてはならない。
(5) 放射性同位元素の取扱い中にその場を離れる場合は,容器及び使用場所に注意事項の明示等を行い,事故発生の防止措置を講じなければならない。
(6) 被ばくによる線量を最少にとどめるため,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
イ 必要に応じ適切な遮へい体(鉛ブロック,アクリル遮へい板等)を使用すること。
ロ 必要に応じ距離をとるための器具(トング,ピンセット等)を用い,放射線源からできるだけ離れて作業をすること。
ハ 被ばくする時間をできるだけ少なくすること。
(7) 放射性同位元素を体内摂取したとき,又はそのおそれがあるときは,直ちに安全管理担当者に連絡し,その指示に従わなければならない。
(8) 管理区域を常に整理・整とんし,清潔を保たなければならない。
(9) 第34条に定める使用記録,保管記録,廃棄記録等について所定の記録を行わなければならない。
(10) 地震,火災等の災害により,放射線障害の発生するおそれのある場合又は発生したときの措置については,火災時消防活動要項及び地震対策要項の定めるところによるものとする。
(11) 放射線障害防止のため,本条から第28条までの規定によるほか,予防細則等に従わなければならない。
(密封されていない放射性同位元素の使用)
第23条 取扱者が密封されていない放射性同位元素を使用する場合は,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 汚染及び汚染の広がりを防止するため,次の事項を厳守すること。
イ 作業台,フードの内面等には,ポリエチレンろ紙等により表面被覆を行うこと。
ロ 作業台は,随時湿式清掃すること。
ハ 放射性同位元素を空気中に飛散させないこと。やむを得ず飛散するおそれのある作業を行う場合は,フード等を使用し,作業室内の空気中の放射性同位元素の濃度が法に定める空気中濃度限度を超えないようにすること。
ニ 放射性,非放射性にかかわらず,口による操作は行わないこと。
ホ 手や腕に外傷があるときは,原則として直接放射性同位元素を取り扱わないこと。
ヘ 放射性同位元素を取り扱う場合は,必ずゴム手袋等を着用し,原則としてろ紙等を敷いたバットの中で行うこと。
ト 作業開始後は,着用した手袋でみだりに非汚染の物に触れないこと。やむを得ず触れる必要のある場合は,備え付けのペーパータオル等を使用すること。
チ 管理区域において,飲食,喫煙,化粧等放射性同位元素を体内に摂取するおそれのある行為を行ってはならない。
リ 放射性同位元素の使用の前後又は使用中にあっては,随時放射線測定器を用いて作業台等の作業環境の汚染の状況並びに人体及び防護用作業衣等人体に着用している物の表面の汚染の状況について測定を行い,汚染を発見したときは直ちに汚染の除去,脱衣等の処置をとり,安全管理責任者又は安全管理担当者に連絡しなければならない。
ヌ 管理区域内へ業務に必要な物以外は持ち込んではならない。
ル 放射性同位元素によって汚染された物で,その表面の汚染密度が法に定める表面密度限度を超えているものを,みだりに作業室から持ち出してはならない。
ヲ 管理区域から物を持ち出す場合は,主任者,安全管理責任者又は安全管理担当者の承認を得るものとする。ただし,やむを得ず持ち出す場合は,表面汚染の有無を検査し,法に定める表面密度限度の10分の1以下であることを確認した後でなければならない。
(2) 放射線障害を受けるおそれのある不測の事態が発生した場合は,直ちに主任者,安全管理責任者又は安全管理担当者及び近くにいる取扱者に連絡し,応急処置を行うこと。
(下限数量以下RIの管理区域外使用区域内の使用)
第23条の2 管理区域外使用区域において下限数量以下RIを使用する場合は,管理区域外使用区域内使用要項及び次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 管理区域外使用区域の下限数量以下RIを使用する者は,第 15 条に従って取扱者として登録すること。
(2) 管理区域外使用区域で使用を行う場合は,あらかじめ使用計画申請書を施設長に提出し許可を受けなければならない。
(3) 管理区域外使用区域の使用場所は,許可を受けた場所以外での使用を禁止する。
(4) 持ち出した下限数量以下RIの使用期間は,持ち出した日限りとし,それを超える場合は,主任者の許可を得ること。
(5) 管理区域外使用区域で使用できる核種及び数量は管理区域外使用区域内使用要項に掲げるもののみとし,管理区域外使用区域全体におけるそれぞれの核種について,管理区域外使用区域内使用要項に掲げる下限数量との比の合計が1を超えないこと。
(6) それぞれの核種について,管理区域内における使用数量と管理区域外使用区域で使用する数量との合計が,管理区域外使用区域内使用要項に掲げる管理区域内における一日最大使用数量を超えないこと。
(7) 管理区域外使用区域内で,下限数量以下RIの使用によって放射性廃棄物が発生した場合は,すべて管理区域へ持ち帰り,所定の手続きを行うこと。
(8) 管理区域外使用区域内へ持ち出した下限数量以下RIは,他の者へ譲渡することはできない。
(9) 管理区域外使用区域の場所で,下限数量以下の非密封放射性同位元素を実験台や床等にこぼした場合は,汚染の検査及び除去をすること。
(密封された放射性同位元素の使用)
第23条の3 取扱者が密封された放射性同位元素を使用する場合は,予防細則及び次に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 使用を行う前に放射線測定器を用いて異常な放射線の漏えいが無いことを確認してから使用を行うこと。
(2) 許可された場所で使用し,使用上の注意を順守するとともに,紛失が生じないようにすること。
(3) 放射線に被ばくする時間をできるだけ少なくすること。
(4) 放射性同位元素の使用中にその場を離れないこと。やむを得ずその場を離れる場合は,使用場所に所定の標識と線量表示を行い,また,必要に応じ柵等を設けるか部屋の場合は施錠するなどして,被ばく事故の防止措置を講ずること。
(5) 放射性同位元素の被覆材,遮へい器物等の破損等により放射性同位元素の漏えい等が生じないよう,その取扱いには十分注意すること。
(6) 使用を終えた場合は,直ちにその放射性同位元素について紛失,漏えい,汚染等異常の有無を放射線測定器により点検すること。
(7) 遮へい不完全等による放射線の漏えい及び破損による汚染のないことを放射線測定器により確認すること。
2 密封された放射性同位元素の紛失,漏えい等が生じ,又はその恐れのある場合は,直ちに主任者に連絡し,その指示に従い探査又はその他放射線障害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
(放射性同位元素の受入れ及び払出し)
第24条 放射性同位元素を受け入れる場合は,あらかじめ所定の様式により主任者の許可を受けなければならない。
2 放射性同位元素を他の事業所に払い出す場合は,あらかじめ所定の様式により主任者の許可を受けなければならない。
(放射性同位元素の保管)
第25条 放射性同位元素は,貯蔵室又は貯蔵箱に施錠の上,保管しなければならない。この場合において,その種類及び数量等に応じて,それぞれ所定の密閉した容器に納め,き裂,破損等が生じた場合でも汚染が生じないよう必要な措置を講じなければならない。
2 作業室で使用した放射性同位元素は,使用後放置することなく,貯蔵室若しくは貯蔵箱に保管又は保管廃棄室に保管廃棄処分しなければならない。
3 前2項の保管容器の表面に,放射性同位元素の種類,数量,保管開始年月日,使用者の所属及び氏名を表示しなければならない。
4 貯蔵施設には,その貯蔵能力を超えて放射性同位元素を貯蔵してはならない。
5 貯蔵施設の目につきやすい場所に,放射線障害の防止に必要な注意事項を掲示しなければならない。
(放射性同位元素の詰替え及び分取)
第26条 密封されていない放射性同位元素の詰替え及び分取は,作業室において行わなければならない。この場合において,危険度に応じて,フード,遠隔操作用具等を使用して,バット内にろ紙を敷いた上で行わなければならない。
(放射性同位元素等の運搬)
第27条 取扱者は,放射性同位元素等を管理区域内において運搬しようとするときは,危険物との混載禁止,転倒,転落等の防止,汚染の拡大の防止及び被ばくの防止その他保安上必要な措置を講じなければならない。
2 取扱者は,放射性同位元素等を事業所内において運搬するときは,主任者の指示に従い,前項に定めるもののほか,次に掲げる事項を厳守しなければならない。ただし,容器表面で5マイクロシーベルト/時間を超えない放射性運搬物については,第 3号から第5号までの措置を必要としない。
(1) 放射性同位元素等は,運搬中に予想される温度,内圧の変化,振動等により,き裂,破損等の生じるおそれのない所定の容器(以下この条において「放射性運搬物」という。)に封入の上運搬すること。
(2) 放射性運搬物及びこれを積載又は収納した車両等に係る1センチメートル線量当量率は,表面で1時間につき2ミリシーベルト,表面から1メートル離れた位置で1時間につき100マイクロシーベルトをそれぞれ超えないようにするとともに,容器の表面の放射性同位元素の密度が法に定める表面密度限度の10分の1を超えないようにすること。
(3) 容器及び車両等には,所定の標識を取り付けるとともに,容器の表面に,核種,数量,物理的状態,化学的状態,表面の1センチメートル線量当量率,取扱者の所属及び氏名を表示すること。
(4) 運搬経路を限定し,見張人の配置,標識等の方法により関係者以外の者の接近及び運搬車両以外の通行を制限すること。
(5) 車両を用いて運搬する場合は,運搬車両の速度を制限し,必要な場合は,伴走車を配置すること。
(6) その他関係法令の定めるところにより,放射線障害の防止に必要な措置を講じること。
3 取扱者は,下限数量以下の放射性同位元素等を管理区域外使用区域へ運搬するときは,主任者の指示に従い,第1項に定めるもののほか,次に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 下限数量以下の放射性同位元素等は,必ず容器に入れて運搬すること。
(2) 前号の容器は,次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 容易に,かつ安全に取り扱うことができること。
ロ 運搬中に予想される温度,内圧の変化,振動等により,き裂,破損等の生じるおそれのない容器であること。
4 取扱者は,放射性運搬物を事業所外において運搬するときは,事前に主任者の許可を得るとともに,前3項に定めるもののほか,次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 放射性運搬物は,法の定める基準に従い,L型輸送物又はA型輸送物に分類し,所定の容器に収納又は包装の上,放射性輸送物として法の定めるところにより運搬すること。
(2) その他関係法令の定めるところにより,放射線障害の防止に必要な措置を講ずること。
(放射性同位元素及び放射性汚染物の廃棄)
第28条 取扱者及び安全管理担当者は,密封されていない放射性同位元素等を廃棄する場合は,次の各号の定めるところにより行わなければならない。
(1) 固体状の放射性廃棄物は,可燃物,難燃物,不燃物及び非圧縮性不燃物に区分し,それぞれ専用の廃棄物容器に封入し,保管廃棄室に保管廃棄すること。
(2) 液体状の放射性廃棄物は,無機廃液又は有機廃液に区分し,所定の放射能レベルに分類し,保管廃棄又は排水設備により,排水口における排水中の放射性同位元素の濃度を法に定める濃度限度以下とし,排水すること。
(3) 気体状の放射性廃棄物は,排気設備により排気口における排気中の放射性同位元素の濃度を法に定める濃度限度以下とし,排気すること。
2 密封された放射性同位元素の廃棄は,廃棄業者等に引き渡すことにより,行わなければならない。
第6章 測定
(場所の測定)
第29条 施設長は,放射線障害が発生するおそれのある場所について,放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況を,適切な放射線測定器を用いて測定しなければならない。ただし,測定が著しく困難な場合は,計算によってその値を算出しなければならない。
2 前項の測定等は施設長の指示により安全管理担当者が行うものとし,次項から第5項までの測定の結果を安全管理責任者に報告するとともに,主任者の確認を受けなければならない。
3 放射線の量の測定は1センチメートル線量当量率又は1センチメートル線量当量について測定しなければならない。
4 前項の測定は,「記録,記帳及び保管要項」に定める場所において行わなければならない。
5 前4項の測定は,作業を開始する前に1回行うものとし,作業を開始した後にあっては,次の各号に定めるところにより行わなければならない。
(1) 放射線の量及び汚染の状況の測定について,1月に1回以上行うこと。
(2) 排気設備の排気口及び排水設備口の排水における放射性同位元素による汚染の状況は,排気又は排水の濃度測定の結果をもって評価するものとする。ただし,測定が困難な場合は算定により評価するものとする。
(個人被ばく線量の測定)
第30条 施設長は,管理区域に立ち入る者に対し,次の各号の定めるところにより,外部被ばくによる線量を管理区域に立ち入る間継続して測定しなければならない。
(1) 胸部(女子(妊娠する可能性がないと診断された女子を除く。以下同じ。)にあっては腹部)について1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(中性子線については1センチメートル線量当量)を測定すること。
(2) 人体部位を「頭部及び頚部」,「胸部及び上腕部」並びに「腹部及び大たい部」に分けたとき,最大被ばく部位が「胸部及び上腕部」(女子にあっては「腹部及び大たい部」)以外の場合は,当該部位についても測定すること。
(3) 最大被ばく部位が前号の部位以外の場合は,当該部位の70マイクロメートル線量当量についても測定すること。
(4) 前3号の測定は,放射線測定器を用いて測定すること。ただし,放射線測定器を用いてもなお測定することが著しく困難な場合にあっては,計算によってこれらの値を算出しなければならない。
(5) 一時立入者については,1センチメートル線量当量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのない場合は,測定を要しないものとする。
2 施設長は,放射性同位元素を摂取するおそれのある場所に立ち入る者に対し,次の各号の定めるところにより,内部被ばくによる線量を測定しなければならない。
(1) 3月(女子にあっては1月)を超えない期間ごとに測定すること。
(2) 放射性同位元素を誤って摂取又はそのおそれのあるときは,その都度測定すること。
(3) 一時立入者については,内部被ばくによる線量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのない場合は,測定を要しないものとする。
3 前2項の測定結果については,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間(女子にあっては毎月1日を始期とする1月間)並びに4月1日を始期とする1年間について,当該期間ごとに集計し,記録しなければならない。
4 施設長は,第1項及び第2項の測定結果から実効線量及び等価線量を,次の各号の定めるところにより算定しなければならない。
(1) 実効線量は,外部被ばく線量と内部被ばく線量の和とする。
(2) 等価線量は,次のとおりとすること。
イ 皮膚は,70マイクロメートル線量当量
ロ 水晶体は,1センチメートル線量当量,3ミリメートル線量当量又は70マイクロメートル線量当量のうち適切なもの
ハ 妊娠中の女子の腹部表面は,1センチメートル線量当量
(3) 前2号の算定は,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間(女子にあっては毎月1日を始期とする1月間)並びに4月1日を始期とする1年間について,当該期間ごとに行い,記録しなければならない。
(4) 実効線量の算定の結果,4月1日を始期とする1年間についての実効線量が20ミリシーベルトを越えた場合は,当該1年間以降は,当該1年間を含む5年間(平成13年4月1日以後5年ごとに区分した各期間)の累積実効線量を当該期間について,毎年度集計し,記録しなければならない。
5 施設長は,第1項から前項までの測定及び算定の記録の都度,安全管理責任者及び主任者に報告するとともに,その写しを本人に交付しなければならない。
(放射線測定器の機能維持)
第30条の2 施設長は,第20条及び前2条の測定に使用する放射線測定器の信頼性を確保するため,常に正常な機能を維持するよう保守しなければならない。
第7章 教育及び訓練
(教育及び訓練)
第31条 施設長は,取扱者に対し,取扱者として登録する前及び取扱者として登録した後にあっては,前回の受講日の属する年度の翌年度の4月1日から1年以内に,次の各号に掲げるところにより教育及び訓練を行わなければならない。
(1) 放射線の人体に与える影響 
(2) 放射性同位元素等又は放射線発生装置の安全取扱い 
(3) 放射線障害防止に関する法令及び放射線障害予防規程
(4) その他放射線障害防止に関して必要な事項
2 施設長は,教育及び訓練の実施に当たり,施設長が認めた有識者に必要な協力を求めることができる。
3 施設長は,第1項の規定にかかわらず,第1項各号の全部又は一部に関して十分な知識及び技能を有していると認められる者に対しては,安全管理責任者及び主任者と次に掲げる省略基準に基づき協議の上,当該項目に係る教育及び訓練を省略することができる。この場合において,施設長は教育訓練受講記録に省略理由を記載しなければならない。
(1) 他事業所等で前年度の教育訓練の受講歴が確認できる場合
(2) 本学の学域又は大学院の講義で,第1項各号について,必要な教育を受けていることが確認できる場合
(3) 外部機関による教育及び訓練と同様の内容の研修等を受講した場合
(4) その他第1項各号について,十分な知識を有していることが確認できる場合
4 主任者又は安全管理担当者は,管理区域に一時的に立ち入る者を一時立入者として承認する場合は,当該立入者に対して,放射線障害の発生を防止するために必要な教育を口頭又は掲示等により実施し,立入及び教育訓練に係る記帳を行わなければならない。
5 第1項各号に掲げる教育及び訓練の項目の内容については,安全委員会で決定された方針に従い安全管理責任者が施設長及び主任者と協議の上作成し,安全委員会の承認を得なければならない。
第8章 健康診断
(健康診断)
第32条 施設長は,取扱者に対して,次に掲げるところにより,金沢大学保健管理センター(以下「保健管理センター」という。)において健康診断を実施しなければならない。
(1) 健康診断の項目は,次のとおりとする。
イ 被ばく歴の有無(被ばく歴を有する者については,作業の場所,内容および期間,放射線障害の有無,自覚症状の有無その他放射線による被ばくに関する事項)の問診による調査及び評価
ロ 末梢血液中の血色素量又はヘマトクリット値,赤血球数及び白血球数の検査
ハ 末梢血液中の白血球百分率の検査
ニ 皮膚の検査
ホ 白内障に関する眼の検査
(2) 実施時期は,次のとおりとする。
イ 取扱者として登録する前
ロ 取扱者として登録された後にあっては,登録後1年を超えない期間ごと
(3) 前2号の規定にかかわらず,登録する前にあっては,線源の種類等に応じて第1号ホを省略することができるものとし,登録された後にあっては,前1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えず,かつ,当該1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのない取扱者については,医師が必要と認めるときに限り,第1号ロからホまでの項目のすべて又は一部を行う。
(4) 前号の規定にかかわらず,前1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超え,又は当該1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのある取扱者については,第1号ロからホまでの項目について健康診断を実施しなければならない。ただし,医師が必要でないと認めるときは,第1号ロからホまでの項目のすべて又は一部を省略することができる。
2 施設長は,前項の規定にかかわらず,取扱者が次の各号の一に該当するときは,安全管理責任者の責任のもと,取扱者に遅滞なく保健管理センターにおいて健康診断を受けさせなければならない。
(1) 放射性同位元素を誤って吸入摂取又は経口摂取したとき。
(2) 放射性同位元素により,表面密度限度を超えて皮膚が汚染され,その汚染を容易に除去することができないとき。
(3) 放射性同位元素により皮膚の創傷面が汚染され,又は汚染されたおそれのあるとき。
(4) 実効線量限度又は等価線量限度を超えて放射線に被ばく又は被ばくしたおそれのあるとき。
3 保健管理センターは,前2項に規定する健康診断の結果を速やかに安全管理責任者を経由して施設長に通知しなければならない。
4 施設長は,第1項第4号又は第2項の規定に基づき健康診断を実施したときは,定期健康診断結果報告書を作成し,学長に報告しなければならない。
5 安全管理責任者は,健康診断を受けた者に対しては健康診断の都度,その記録の写しを本人に交付しなければならない。
(放射線障害を受けた者等に対する措置)
第33条 施設長は,取扱者で放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者(以下「放射線障害者等」という。)については,主任者,安全管理責任者及び医師と協議の上,所属部局長にその放射線障害の程度に応じ,管理区域への立入時間の短縮,立入禁止又は放射線に被ばくするおそれの少ない業務への配置転換等の措置を講じるよう通知するとともに,その結果をセンター長を経由して,同位元素委員会,理事及び学長に報告しなければならない。
2 所属部局長は,前項の通知があった場合は,適切な措置を講じなければならない。
3 所属部局長は,保健管理センターが取扱等業務を行うことについて支障がないと認めるまでは,放射線障害者等を取扱等業務に従事させてはならない。
4 施設長は,取扱者以外の者が放射線障害を受け又は受けたおそれのある場合は,遅滞なく医師による診断,必要な健康指導等の適切な措置を講じなければならない。
第9章 記帳及び保管
(記帳及び保管)
第34条 施設長は,記録,記帳及び保管要項に基づき,次に従って帳簿に記録させなければならない。
(1) 取扱者及び安全管理担当者は,放射性同位元素の受入れ,払出し,保管,使用,運搬及び廃棄に関する所定の事項を記録するものとする。
(2) 下限数量以下RIを管理区域外使用区域で使用する場合は,使用する核種,数量,化学形,物理的状態,使用の目的,使用の方法及び使用の場所に関する所定の事項を記録するものとする。
(3) 施設管理担当者は,第17条に定める放射線施設の点検結果及び点検後に行った措置等の状況について記録するものとする。
(4) 安全管理担当者は,第18条に定める自主点検の結果及び点検後に行った措置等の状況について記録するものとする。
(5) 取扱者及び安全管理担当者は,放射性同位元素によって汚染された物に関し,所定の事項を記録するものとする。
(6) 安全管理担当者は,第29条第4項に定める場所の測定結果について記録するものとする。
(7) 安全管理担当者は,第30条第1項から第4項までに定める個人被ばく線量の測定結果について記録するものとする。
(8) 安全管理担当者は,第20条,第29条及び第30条の測定に使用する放射線測定器等の保守管理の結果を記録するものとする。
(9) 安全管理担当者は,第31条に定める教育及び訓練の内容について記録するものとする。
(10) 安全管理担当者は,第32条第1項及び第2項に定める健康診断の結果について記録するものとする。
2 前項各号の記録は,次の各号に掲げる者によって点検及び確認するものとする。
(1) 前項(第3号を除く。)に規定する記録については,主任者及び安全管理責任者
(2) 前項第3号に規定する記録については,主任者及び放射線施設責任者
3 安全管理責任者及び施設管理責任者は,毎年3月31日,又は事業所の廃止等を行う場合は廃止日等に帳簿を閉鎖し,主任者とともに点検及び確認の上,記録,記帳及び保管要項に基づき,記録及び保管しなければならない。
第10章 災害時及び危険時の措置
(通報)
第35条 次条から第38条までに規定する事態を発見した取扱者等は,管理区域内に掲示されている「緊急時の連絡」に従い主任者又は安全管理担当者に的確迅速にその状況を通報するとともに,予防細則及び火災時消防活動要項及び地震対策要項に従い,必要な措置を講じなければならない。
2 通報を受けた主任者,施設長,理事及び学長は,別に定める金沢大学放射線施設・核燃料施設の緊急時連絡体制マニュアル(以下「緊急時連絡体制マニュアル」という。)に従い,必要に応じて,的確迅速にその状況を関係者及び関係機関に通報しなければならない。
(災害時の措置)
第36条 RI総合施設が所在する同一地区で大規模自然災害(震度5強以上の地震,風水害による家屋全壊(住家流出又は1階天井までの浸水,台風及び竜巻等による家屋全壊が発生した場合))又はRI総合施設に火災等の災害が起こった場合には,施設管理担当者が自主点検実施要項に定める項目について点検を行い,その結果を施設管理責任者及び主任者を経由して,施設長に報告しなければならない。
2 施設長は,前項の点検の結果,異常を認めるときは,主任者,安全管理責任者及び施設管理責任者と協議の上,必要な応急措置を講じなければならない。また,必要に応じ放射線施設の全部又は一部の使用を停止しなければならない。
3 施設長は,前項で講じた応急措置について,センター長を経由して理事及び学長に報告しなければならない。
4 施設長は,第1項及び第2項の点検及び改善措置を行う場合は,施設管理担当者の立ち会いの上,業者に請け負わせることができる。
5 施設長は第1項の報告の内,施設長及びセンター長で対処できない異常については,センター長を経由して,理事及び学長に報告しなければならない。
(危険時の措置)
第37条 主任者は,前条で定めるもののほか,放射線障害が発生又は発生するおそれのある事態(以下「危険事態」という。)の通報を受けたときは,施設管理責任者及び安全管理責任者と連携し,施設管理担当者及び安全管理担当者を指示して,次に掲げる緊急作業に従事し,放射線障害を防止するために必要な措置を講じるとともに,施設長に通報しなければならない。
(1) 火災が発生したときは,消火又は延焼の防止に努めること。
(2) 放射線施設の内部にいる者及び付近にいる者を避難させること。
(3) 放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者を,速やかに救出し,避難させるとともに適切な措置を講ずること。
(4) 放射性同位元素による汚染が生じた場合は,速やかに,その広がりの防止及び除去を行うこと。
(5) 放射性同位元素を,必要に応じて他の安全な場所に移し,その周囲に縄張り,標識等を設けるとともに,見張人をつけること。
(6) その他放射線障害を防止するために必要な措置を講ずること。
2 前項の通報を受けた施設長は,緊急時連絡体制マニュアル等に定めた連絡通報体制に従い関係者に連絡しなければならない。
3 施設長は,第1項に定める緊急作業後,火災時消防活動要項及び地震対策要項に基づき,必要な応急措置をRI総合施設職員及び施設長が任命した者に指示し,実施させなければならない。
4 前項の応急措置の作業を行うRI総合施設職員及び施設長が任命した者は,個人線量計,被ばく防止のための防護具を装備した上で,当該作業を行わなければならない。
5 施設長は,第3項で講じた応急措置についてセンター長を経由して理事及び学長に報告しなければならない。
6 施設長は,緊急作業に従事するRI総合施設職員及び施設長が任命した者に対して「緊急時の対応」に関する対応の内容について周知させなければならない。
7 施設長は,第1項に定める緊急作業及び第3項に定める応急措置に従事した者に対して,第33条に定める放射線障害を受けた者等に対する措置と同様の措置を受けさせなければならない。
(事故時の措置)
第38条 主任者は,次に掲げる事故の通報を受けたときは,第35条の規定に従い通報するとともに,必要に応じて前2条の,放射線障害の発生の防止に努めなければならない。
(1) 放射性同位元素等の盗取又は所在不明が生じたとき。
(2) 気体状の放射性同位元素等を排気設備において浄化し,又は排気することによって廃棄した場合において,濃度限度又は線量限度を超えたとき。
(3) 液体状の放射性同位元素等を排水設備において浄化し,又は排水することによって廃棄した場合において,濃度限度又は線量限度を超えたとき。
(4) 放射性同位元素等が管理区域外で漏えいしたとき。ただし,施行規則第15条第2項の規定により管理区域の外において密封されていない放射性同位元素の使用をした場合を除く。
(5) 放射性同位元素等が管理区域内で漏えいしたとき。ただし,次のいずれかに該当するとき(漏えいした物が管理区域外に広がったときを除く。)を除く。
イ 漏えいした液体状の放射性同位元素等が当該漏えいに係る設備の周辺部に設置された漏えいの拡大を防止するための堰の外に拡大しなかったとき。
ロ 気体状の放射性同位元素等が漏えいした場合において,漏えいした場所に係る排気設備の機能が適性に維持されているとき。
ハ 漏えいした放射性同位元素等の放射能量が微量のとき。
ニ 漏えいした放射性同位元素等の放射能量が表面密度限を超えないとき。
ホ その他漏えいの程度が軽微なとき。
(6) 次の線量が線量限度を超え,又は超えるおそれがあるとき。
イ 使用施設内,貯蔵施設内又は廃棄施設内の人が常時立ち入る場所において人が被ばくするおそれのある線量
ロ 事業所の境界及び事業所内の人が居住する区域における線量
(7) 放射性同位元素等に火災が起こり,又は放射性同位元素等に延焼するおそれがあるとき。
(8) 使用,その他の取扱いにおける計画外の被ばくがあったときであって,次の線量を超え,又は超えるおそれがあるとき。
イ 放射線業務従事者:5ミリシーベルト
ロ 放射線業務従事者以外の者:0.5ミリシーベルト
(9) 放射線業務従事者について実効線量限度及び等価線量限度を超え,又は超えるおそれのある被ばくがあったとき。
2 学長は,通報を受けたときは,その旨を直ちに原子力規制委員会及びその他関係機関の長に通報するとともに,その状況及びそれに対する措置を事故の発生した日から10日以内に報告しなければならない。
3 安全委員会は,通報を受けたときは,同位元素委員会と連携を密にして,その事故の状況を調査検討し,今後の事故防止対策等について必要に応じ,施設長及びセンター長に勧告しなければならない。
4 施設長及びセンター長は,前項の勧告に基づき,所要の措置を講じなければならない。
(災害等による放射線障害の予防)
第39条 施設管理担当者及び安全管理担当者は,危険事態及び放射性同位元素等の取扱いにおける事故による放射線障害の発生を防止するため,前3条に規定されているもののほか,次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) RI総合施設内の機器,物品等の転倒及び落下を防止するための措置について随時点検し,その適正を期すること。
(2) 非常用設備(保安用品,消火器等)を随時点検し,正常に機能することを確かめておくこと。
(3) 二次災害を引き起こすおそれのある物品及び薬品の保管及び取扱いには特に注意し,RI総合施設内への持込みを必要最小限にとどめるよう指導すること。
(4) 前3号に規定するもののほか,災害等による放射線障害の発生の予防について,あらかじめ十分配慮しておくこと。
2 前項第1号,第2号及び第4号に掲げる措置は施設管理担当者が,同項第3号及び第4号に掲げる措置は安全管理担当者が行うものとする。
第11章 情報の提供
(情報の提供)
第40条 事故等の報告を要する放射線障害のおそれがある場合又は放射線障害が発生した場合は,施設長及びセンター長は理事及び学長に報告した上で,緊急時連絡体制マニュアルに従って金沢大学Webサイトに次項に定める事故の状況及び被害の程度等を掲載することにより公衆及び報道機関へ情報提供するとともに,外部からの問合せに対応するものとする。
2 発生した事故の状況及び被害の程度等に関して外部に提供する内容(以下「情報提供内容」という。)は,次の各号に掲げる事項とする。
(1) 事故の発生日時及び発生した場所
(2) 汚染状況等による事業所外への影響
(3) 事故の発生した場所において取り扱っている放射性同位元素等の種類,性状及び数量
(4) 応急措置の内容
(5) 放射線測定器による放射線量の測定結果
(6) 事故の原因及び再発防止策
3 施設長は,情報提供内容について,安全委員会の協議を経て決定する。
第12章 業務の改善
(業務の改善)
第41条 RI総合施設は放射性同位元素等の使用・管理等及び施設設備等に係る安全性を向上させるため,放射線障害の防止に関する業務評価を受けるものとする。
2 RI総合施設は金沢大学における放射性同位元素等の規制に関する管理規程第11条に基づき,同位元素委員会による立ち入り調査を年1回受けるものとする。
3 施設長は,前項の調査の結果,改善措置の通知を受けた場合は,速やかに改善措置を講ずるとともにその結果を同位元素委員会の委員長に報告しなければならない。
4 施設長は,前項においてRI総合施設及び疾患モデル総合研究センターでは対処できない改善措置については,同位元素委員会及び学長に報告し,協議の上,対応しなければならない。
第13章 放射線管理状況の報告
(放射線管理状況の報告)
第42条 安全管理担当者は,施行規則第39条第2項に定める放射線管理状況報告書を,毎年4月1日を始期とする1年間について作成し,主任者,安全管理責任者及び施設管理責任者を経由して施設長及びセンター長に報告しなければならない。
2 施設長及びセンター長は,前項の報告書を当該期間の経過後2月以内に理事,学長及び同位元素委員会の委員長に報告しなければならない。
3 学長は,前項の報告書を当該期間の経過後3月以内に原子力規制委員会に提出しなければならない。
第14章 規程の改廃
(規程の改廃)
第43条 この規程の改廃は,安全委員会の議を経て施設長が行うものとし,センター長,理事及び同位元素委員会の委員長に報告するとともに,学長を通じて原子力規制委員会に届け出るものとする。
附 則
この規程は,令和3年4月1日から施行する。
附 則
この規程は,令和5年10月1日から施行する。
附 則(令和6年9月1日規程第4198号)
この規程は,令和6年9月1日から施行する。
別図1
放射線障害の防止に関する安全管理組織