○金沢大学附属病院放射線障害予防規程
(平成20年4月1日規程第1137号) |
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目次
第1章 総則(第1条-第3条)
第2章 組織及び職務(第4条-第15条)
第3章 放射線施設等の維持及び管理(第16条-第18条)
第4章 放射性同位元素及び放射線発生装置の使用(第19条-第21条)
第5章 放射性同位元素等の受入れ,払出し,保管,運搬及び廃棄(第22条-第26条)
第6章 測定(第27条-第30条)
第7章 教育及び訓練(第31条)
第8章 健康診断(第32条・第33条)
第9章 記帳及び保存(第34条)
第10章 危険時及び災害時の措置(第35条-第39条)
第11章 情報の提供(第40条)
第12章 業務の改善(第41条・第42条)
第13章 放射線管理状況の報告(第43条)
第14章 規程の改廃(第44条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は,放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法」という。),放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則(昭和35年総理府令第56号。以下「規則」という。)及び電離放射線障害防止規則に基づき,金沢大学附属病院(以下「病院」という。)における放射線障害の防止に関し必要な事項を定め,もって放射線障害の防止及び病院内外の安全を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号の定めるところによる。
(1) 放射性同位元素 法第2条第2項で定める放射性同位元素をいう。
(2) 放射線発生装置 法第2条第5項で定める放射線発生装置をいう。
(3) 放射化物 放射線発生装置の使用に伴って,放射化させることを目的とせずに有意の放射能が認められるに至った放射線発生装置又はその一部をいう。
(4) 放射性同位元素等 放射性同位元素,放射性同位元素によって汚染されたもの及び放射化物をいう。
(5) 放射線施設 規則第1条第9号で定める使用施設,貯蔵施設及び廃棄施設をいう。
(6) 取扱等業務 放射性同位元素等又は放射線発生装置の取扱い,管理及びこれに付随する業務をいう。
(7) 放射線業務従事者 取扱等業務を病院長から許可された者をいう。
(8) 一時立入者 放射線業務従事者以外の者で,放射線施設の管理区域(以下「管理区域」という。)に一時的に立ち入る者をいう。
(規程等の制定)
第3条 病院長は,法及びこの規程で定める事項を実施するために,次に掲げる規程等を別に定めるものとする。
(1) 金沢大学附属病院放射線障害予防に関する実施要領(以下「実施要領」という。)
(2) 金沢大学附属病院放射性同位元素等安全委員会規程(以下「安全委員会規程」という。)
(3) 大規模地震等の災害対策マニュアル(以下「災害対策マニュアル」という。)
第2章 組織及び職務
(安全管理組織)
第4条 病院における放射線障害の防止に関する安全管理組織は,別図のとおりとする。
[別図]
(放射性同位元素委員会)
第5条 放射性同位元素委員会(以下「同位元素委員会」という。)については,金沢大学放射性同位元素委員会規程の定めるところによる。
(附属病院放射性同位元素等安全委員会)
第6条 放射線障害の防止について必要な事項を審議するため,病院に,放射性同位元素等安全委員会(以下「安全委員会」という。)を置くものとする。
2 安全委員会に関し必要な事項は,安全委員会規程で定める。
(病院長)
第7条 病院長は,病院における放射線障害の防止,放射線施設の維持及び管理運営に関し総括する。
2 病院長は,次条で定める放射線取扱主任者(以下「主任者」という。)が関係法令及びこの規程に基づき行う意見の具申を尊重しなければならない。
3 病院長は,同位元素委員会及び安全委員会がこの規程に基づき行う答申又は意見の具申を尊重しなければならない。
4 病院長は,放射線施設の安全管理上必要な措置を講じなければならない。
(主任者等)
第8条 病院に,主任者を1人以上置くものとする。
2 主任者を複数名置く場合は,うち1名を正主任者とし,その他の者を副主任者とする。この場合において,正主任者は次条で定める職務を行い,副主任者は正主任者を補佐する。
3 正主任者は,病院長との連携を密にし,この規程の定めるところに従い,放射線障害の防止について監督する。
4 正主任者が旅行,疾病その他の事故等により,次条で定める職務を行うことができない場合は,当該期間中その職務の全てを副主任者が代行する。
5 主任者は,医師免許を有する者又は第1種放射線取扱主任者免状を有する者のうちから,病院長の推薦に基づき,学長が任命することとし,解任する場合は,病院長の解任の申し出に基づき,学長が解任する。
6 任命された全ての主任者が旅行,疾病その他の事故等により,次条で定める職務を行うことができない場合は,当該期間中その職務を代行させるため,主任者の代理者(以下「代理者」という。)を置くものとする。
7 代理者は,医師免許を有する者又は第1種放射線取扱主任者免状を有する者のうちから,病院長が任命する。
8 病院長は,任命された全ての主任者が30日以上にわたり職務を行えない場合は,学長を通じて原子力規制委員会に代理者の選任の届出をしなければならず,また,解任した場合は,解任の届出をしなければならない。
9 主任者は,放射線業務従事者が関係法令,この規程若しくは主任者の指示等に違反し,又は取扱能力に欠けると認められる場合は,当該放射線業務従事者の放射性同位元素等の取扱いを制限し,又は許可を取り消すことを病院長に勧告することができる。
10 学長は,主任者の資質の向上を図るため,次に掲げる期間ごとに,法で定める定期講習を受けさせなければならない。
(1) 主任者任命日から1年以内(ただし,主任者任命日の前1年以内に受講した者は,その受講日の翌年度の4月1日から3年以内)
(2) 主任者任命後,法で定める定期講習を受講し,その任命日から引き続き主任者である者は,当該受講日の翌年度の4月1日から3年以内
(主任者の職務)
第9条 主任者は,放射線施設における放射線障害の防止に係る監督に関し,次の各号に掲げる職務を行うものとする。
(1) この規程及び第3条各号に掲げる規程等の制定及び改廃への参画
[第3条各号]
(2) 放射線障害防止上重要な計画作成への参画
(3) 法に基づく申請,届出及び報告の確認及び審査
(4) 立入検査等の立会い
(5) 異常及び事故の原因調査への参画
(6) 病院長に対する意見の具申
(7) 使用状況等及び施設,帳簿,書類等の確認及び監査
(8) 教育及び訓練の計画等に対する指導及び指示
(9) 災害時又は危険時の措置等に関する対策への参画
(10) 放射線業務従事者への助言,勧告及び指示
(11) 安全委員会の開催の要求
(12) その他放射線障害防止に関する必要事項
(放射線施設管理責任者)
第10条 病院における放射線施設の点検・維持及び管理運営に関する業務を総括するため,放射線施設管理責任者(以下「施設管理責任者」という。)を置く。
2 施設管理責任者は,施設部宝町施設支援室長をもって充てる。
(放射線施設管理担当者)
第11条 病院に放射線施設の点検・維持及び管理業務を行うため,放射線施設管理担当者(以下「施設管理担当者」という。)を置く。
2 施設管理担当者は,放射線部診療放射線技師長,放射線部主任放射線技師(放射線治療担当),放射線部主任放射線技師(アイソトープ担当),施設部宝町施設支援室施設係長及び設備係長をもって充てる。
3 施設管理担当者は,実施要領の定めるところにより,放射線施設について次の業務を行う。
(1) 電気設備の維持及び管理に関する業務
(2) 給排気設備,給排水設備の維持及び管理に関する業務
(3) 放射線施設の自主点検に関する業務
(4) その他放射線施設の維持及び管理に関する業務
(放射線安全管理責任者)
第12条 病院における放射線の安全管理に関する業務を総括するため,放射線安全管理責任者(以下「安全管理責任者」という。)を置く。
2 安全管理責任者は,放射線部長をもって充てる。
(放射線安全管理担当者)
第13条 病院に放射線の安全管理業務を行うため,放射線安全管理担当者(以下「安全管理担当者」という。)を置く。
2 安全管理担当者は,放射線部診療放射線技師長,放射線部主任放射線技師(放射線治療担当),放射線部主任放射線技師(アイソトープ担当),病院部総務課調査・広報係長及び病院部総務課労務係長をもって充てる。
3 安全管理担当者は,実施要領の定めるところにより,次の業務を行う。
(1) 管理区域に立ち入る者の入退域,放射線被ばく及び放射性汚染の管理
(2) 放射線施設,管理区域に係る放射線の量及び放射性汚染状況の測定
(3) 放射線設備及び放射線測定機器の保守管理
(4) 放射性同位元素等の受入れ,払出し,使用,保管,廃棄及び運搬に関する管理
(5) 放射線作業の安全に係る技術的事項に関する業務
(6) 放射線業務従事者に対する教育及び訓練計画の立案及びその実施
(7) 放射線業務従事者に対する健康診断計画の立案及びその実施
(8) 放射性廃棄物の保管及びそれらの処理に関する業務
(9) 前各号に関する記帳・記録の管理及びその保管
(10) 放射線の安全管理に関する自主点検業務
(11) 関係法令に基づく申請,届出等の事務手続き,その他関係機関との連絡等,事務的事項に関する業務
(12) その他病院長が必要と認める事項
(放射線業務責任者)
第14条 放射線業務の安全に関する事項等の指導及び管理業務等を行うため,病院に,放射線業務責任者(以下「業務責任者」という。)を置く。
2 業務責任者は,放射線業務従事者の所属する診療科等の長をもって充てる。
(放射線業務従事者の登録等)
第15条 放射性同位元素等を取り扱う者は,あらかじめ所属する診療科等の長及び主任者の同意を得て,病院長に所定の登録申請書を提出し,その許可を受けなければならない。
2 病院長は,前項の申請があった場合は,第31条で定める教育及び訓練並びに第32条第1項で定める健康診断を受け,取扱等業務を行うことが適当と認められる者にこれを許可し,放射線業務従事者名簿に登録するものとする。この場合において,病院長は,必要に応じて申請者の放射線作業の安全に係る事項等を審査することができる。
3 病院長は,登録後においても必要に応じて,放射線業務従事者の放射線作業の安全に係る事項等を審査することができる。
4 第2項の登録の有効期間は,登録した年度内とする。
5 病院長は,放射線業務従事者が前項で定める登録の有効期間の延長を希望する場合,放射線業務従事者の所属する診療科等に延長の確認を行った上で,引き続き取扱い等業務を行うことが適当と認めたときは,有効期間を延長して放射線業務従事者名簿に登録することができる。
6 病院長は,放射性同位元素及び放射線発生装置を取扱う者の氏名を同位元素委員会の委員長に通知するものとする。
7 病院長は,放射線業務従事者が関係法令,この規程若しくは主任者の指示等に違反し,又は取扱能力に欠けると認められる場合は,当該放射線業務従事者の取扱等業務を制限し,又は許可を取り消すことができる。
第3章 放射線施設等の維持及び管理
(放射線施設の新設,変更及び廃止)
第16条 病院長は,放射線施設の新設,変更及び廃止をしようとするときは,関係書類を作成し,同位元素委員会の安全審査を受けなければならない。
2 病院長は,前項の施設の新設,変更又は廃止が完了したときは,その旨を学長に報告しなければならない。
(放射線施設の自主点検,維持管理及び改善措置)
第17条 施設管理担当者は,実施要領で定める点検項目に従い,放射線施設が法で定める基準に適合するよう維持するため,放射線施設の自主点検及び維持管理を,毎年1回以上定期的に,又は必要に応じて実施し,その結果を施設管理責任者及び主任者に通知しなければならない。
2 施設管理担当者は,前項の自主点検の結果,異常を認めたときは,その状況及び原因を調査し,必要な応急措置を講ずるとともに,施設管理責任者及び主任者に通報しなければならない。
3 前項の通報を受けた施設管理責任者は,施設管理担当者が講じた応急措置が適切であるかを主任者とともに確認し,その状況を病院長に報告しなければならない。
4 前項の報告を受けた病院長は,必要に応じ放射線施設の全部又は一部の使用を停止し,直ちに法で定める基準に適合するよう必要な措置を講ずるとともに,再発の防止に必要な対策を講ずるものとする。
5 病院長は,前項の改善措置を行う場合は,施設管理責任者,安全管理責任者及び主任者に意見を求め,実施計画書を作成しなければならない。ただし,保安上特に影響が軽微であると認められるものについてはこの限りでない。
6 病院長は,前項の実施計画書の作成に当たり,必要があると認めるときは,その安全性,安全対策等について安全委員会に諮問することができる。
7 病院長は,第1項,第2項及び第4項の自主点検及び改善措置を行う場合は,施設管理担当者の立ち会いの上,業者に請け負わせることができる。
8 病院長は,第3項の報告のうち,病院長で対処できない異常については,学長に報告しなければならない。
(管理区域)
第18条 病院長は,放射線障害の防止のため,放射線障害のおそれのある場所を管理区域として指定しなければならない。
2 安全管理責任者は,次の各号に掲げる者以外の者を,管理区域に立ち入らせてはならない。
(1) 放射線業務従事者
(2) 一時立入者として安全管理責任者が認めた者
(3) 治療を受ける患者並びにその介助及び付添い者
(4) 放射線業務従事者が付き添う者
3 前項により,管理区域に立ち入る者は,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 主任者又は安全管理責任者の監督及び指示に従い,自他の障害予防のため,万全の措置をとらなければならない。
(2) 定められた出入口から出入りすること。
(3) 個人被ばく線量計を指定された位置に装着すること。
(4) 管理区域内において飲食,喫煙,化粧等の放射性同位元素を体内に摂取するおそれのある行為を行わないこと。
(5) 一時立入者は,主任者及び放射線業務従事者が放射線障害を防止するために行う指示,その他施設の保安を確保するための指示に従い,入室時は所定の記録簿に記帳すること。
(6) 入退室の管理に所定の方式が定められている管理区域においては,その方式に従って入退室の記録を行うこと。
4 前項各号のほか,密封されていない放射性同位元素を取り扱う場合は,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 所定の場所で必要な保護具を着用し,かつ,これらを着用したまま管理区域から退出しないこと。
(2) 管理区域から退出するときは,汚染検査室において,身体各部,衣類,靴等の汚染の有無を検査し,汚染が検出された場合は直ちに除去のための措置を取ること。ただし,汚染除去が困難な場合は,安全管理責任者及び主任者に連絡し,その指示に従うこと。
5 病院長は,管理区域の入口及び管理区域内の目につきやすい場所に取扱いに係る注意事項並びに地震,火災等の事故発生時の患者誘導等避難に係る注意事項を掲示し,管理区域に立ち入る者に遵守させなければならない。
第4章 放射性同位元素及び放射線発生装置の使用
(密封されていない放射性同位元素の使用)
第19条 密封されていない放射性同位元素を使用する者は,業務責任者の管理の下,次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第1項に規定する医薬品,医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第24条第8号に規定する陽電子断層撮影診療用放射性同位元素及び法に基づき承認を得ている放射性同位元素以外のものを使用しないこと。
(2) 放射性同位元素の使用は,作業室において行い,承認使用数量を超えないこと。
(3) 排気設備が正常に作動していることを確認すること。
(4) 使用目的に応じて放射線障害が発生するおそれの最も少ない方法をとること。
(5) 作業台には濾紙等で適当な表面被覆をすること。
(6) 作業室には必要以上の器具類を持ち込まないこと。
(7) 作業中に汚染が発生した場合は,直ちに除去を行うこと。
(8) 表面の放射性同位元素の密度が表面密度限度を超えているものは,みだりに作業室から持ち出さないこと。
(9) 表面の放射性同位元素の密度が表面密度限度の10分の1を超えているものは,みだりに管理区域から持ち出さないこと。
(10) 遮へい物等を使用し適切な遮へいを行うこと。
(11) かん子等の使用により線源との間に十分な距離を空けること。
(12) 作業時間は可能な限り短くなるようにすること。
(13) 放射性同位元素を体内に摂取し,又はそのおそれがあるときは,直ちに安全管理責任者及び主任者に連絡し,その指示に従うこと。
(密封された放射性同位元素の使用)
第20条 密封された放射性同位元素を使用する者は,業務責任者の管理の下,次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 防護具等を使用し,適切な遮へいを行うこと。
(2) かん子等の使用により線源との間に十分な距離を設けること。
(3) 作業時間は可能な限り短くなるようにすること。
(4) 線源の脱落や紛失がないように取り扱いには十分注意すること。
(5) 使用後は速やかに放射線測定器により不必要な線源が存在しないことを確認すること。
(6) リモートアフターローディング装置を使用するときは,入室前に線源が格納容器に収納されていることを確認すること。
(7) リモートアフターローディング装置を使用するときは,使用前に装置が正常に作動することを確認すること。
(8) リモートアフターローディング装置の使用にあっては,複数の放射線業務従事者により安全確認を行うこと。
(9) リモートアフターローディング装置の使用にあっては,患者以外の者が使用室内にいないことを確認の上,使用すること。
(10) リモートアフターローディング装置を使用するときは,出入口に照射中であることを明示する標識を常時掲げること。
(11) 使用時間は線源ごとの届出使用時間を超えないこと。
(12) 密封された放射性同位元素の紛失,漏えい等が生じ,又はそのおそれのある場合は,直ちに主任者に連絡し,その指示に従い探査又はその他放射線障害を防止するために必要な措置を講ずること。
(放射線発生装置の使用)
第21条 放射線発生装置を使用する者は,業務責任者の管理の下,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 使用前に装置が正常に作動することを確認すること。
(2) 複数の放射線業務従事者により安全確認を行うこと。
(3) 使用にあたっては,患者以外の者が使用室内にいないことを確認してから行うこと。
(4) 照射中は出入口に照射中であることを明示する標識を掲げること。
(5) 使用時間は届出使用時間を超えないこと。
(6) 使用により不必要な被ばくが生じた場合もしくはそのおそれがある場合は,直ちに業務責任者に連絡し,その指示に従うこと。
2 前項第6号の連絡を受けた業務責任者は,安全管理責任者及び主任者に連絡し,その指示に従わなければならない。
第5章 放射性同位元素等の受入れ,払出し,保管,運搬及び廃棄
(放射性同位元素の受入れ)
第22条 放射性同位元素の受入れは,主任者の管理の下,実施要領で指定する安全管理担当者が行い,次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 放射性同位元素の受入れは,放射線部又はアイソトープ部において管理帳簿を備え,必要事項を確認し,記帳することにより行うこと。
(2) 放射性同位元素を受け入れる場合は,あらかじめ所定の様式により主任者の許可を受けなければならない。
(3) 放射性同位元素を受け入れた後,直ちに購入注文書及び送付書と照合の上,貯蔵箱に収納すること。
(放射性同位元素等の払出し)
第23条 放射性同位元素等の払出しは,主任者の管理の下,実施要領で指定する安全管理担当者が行い,次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 放射性同位元素の払出しを行う場合は,あらかじめ所定の様式により主任者の許可を得ること。
(2) 使用しなくなった密封された放射性同位元素は原子力規制委員会の許可を受けた専門の業者(以下「専門業者」という。)に払い出すこと。
(放射性同位元素等の保管)
第24条 放射性同位元素等の保管は,主任者の管理の下,安全管理担当者が行い,次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 貯蔵箱にはその貯蔵能力を超えて放射性同位元素を貯蔵しないこと。
(2) 放射性同位元素は所定の容器に入れ,所定の貯蔵箱に貯蔵すること。
(3) 貯蔵箱は放射性同位元素を保管中に,これをみだりに持ち運ぶことができないようにするための措置を講ずること。
(4) 貯蔵する核種及び数量は,許可された範囲内で行うこと。
(5) 貯蔵箱の見やすい場所に核種別形状,1日最大使用数量,3月間最大使用数量及び最大貯蔵数量を記入した表を掲示すること。
(6) 放射化物は再使用せず,再使用目的での保管は行わないこと。
(放射性同位元素等の運搬)
第25条 放射性同位元素等の運搬は,主任者の管理の下,実施要領で指定する安全管理担当者が行い,次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 管理区域内において運搬しようとするときは,危険物との混載禁止,転倒,転落等の防止,汚染の拡大防止,被ばくの防止その他保安上必要な措置を講じなければならない。
(2) 管理区域外の病院構内において運搬するときは,主任者の指示に従い,前号で定めるもののほか,次に掲げる事項を厳守しなければならない。
イ 放射性同位元素等は,運搬中に予想される温度,内圧の変化,振動等により,き裂,破損等の生じるおそれのない所定の容器(以下この条において「放射性運搬物」という。)に封入の上運搬すること。
ロ 放射性運搬物及びこれを積載又は収納した車両等に係る1センチメートル線量当量率は,表面で1時間につき2ミリシーベルト,表面から1メートル離れた位置で1時間につき100マイクロシーベルトをそれぞれ超えないようにするとともに,容器の表面の放射性同位元素の密度が法で定める表面密度限度の10分の1を超えないようにすること。
ハ 容器及び車両等には,所定の標識を取り付けるとともに,容器の表面に,核種,数量,物理的状態,化学的状態,表面の1センチメートル線量当量率,放射線業務従事者の所属及び氏名を記載すること。
ニ 運搬経路を限定し,見張人の配置,標識等の方法により関係者以外の者の接近及び運搬車両以外の通行を制限すること。
ホ 車両を用いて運搬する場合は,運搬車両の速度を制限し,必要な場合は,伴走車を配置すること。
ヘ その他関係法令の定めるところにより,放射線障害の防止に必要な措置を講ずること。
(3) 放射線業務従事者は,放射性運搬物を病院構外において運搬するときは,事前に主任者の許可を得るとともに,前号で定めるもののほか,次に掲げる事項を厳守しなければならない。
イ 放射性運搬物は,法の定める基準に従い,L型輸送物,A型輸送物又はB型輸送物に分類し,所定の容器に収納又は包装の上,放射性輸送物として法の定めるところにより運搬すること。
ロ その他関係法令の定めるところにより,放射線障害の防止に必要な措置を講ずること。
(4) 放射化物の保管廃棄設備の所定の容器内への収納は,主任者に許可を得た放射線業務従事者が行い,転落の防止,汚染の拡大防止,被ばくの防止その他保安上必要な措置を講じて行わなければならない。
2 前項各号の規定にかかわらず,容器表面で5マイクロシーベルトを超えない放射性運搬物については,転落の防止,汚染の拡大防止,被ばくの防止その他保安上必要な措置に注意して行うものとする。
(放射性同位元素等の廃棄)
第26条 放射性同位元素等の廃棄は,主任者の管理の下,実施要領で指定する安全管理担当者が行い,次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 密封された放射性同位元素の廃棄は,専門業者に引き渡すこと。
(2) 密封されていない放射性同位元素等の廃棄は,次のとおり行わなければならない。
イ 固体状の放射性廃棄物は,可燃物,難燃物,不燃物及び非圧縮性不燃物に区分し,それぞれ専用の廃棄物容器に封入し,保管廃棄室に保管廃棄すること。
ロ 液体状の放射性廃棄物は,所定の放射能レベルに分類し,保管廃棄又は排水設備により,排水口における排水中の放射性同位元素の濃度を法で定める濃度限度以下とし,排水すること。
ハ 気体状の放射性廃棄物は,排気設備により排気口における排気中の放射性同位元素の濃度を法で定める濃度限度以下とし,排気すること。
(3) 放射化物の廃棄は,次のとおり行わなければならない。
イ 放射化物が発生することが予想されるときは,あらかじめ専門業者に廃棄依頼を行い,発生後は放射化物保管廃棄設備内の所定の容器内で保管し,専門業者に委託廃棄するものとする。
ロ 装置更新等で予め大量の放射化物の発生が予測される場合においては,専門業者との事前の打ち合わせにより速やかに廃棄するものとする。
第6章 測定
(測定の信頼性の確保)
第27条 病院長は,規則第20条に係る測定の信頼性確保として,放射線施設に立ち入る者に係る外部被ばくによる線量の測定の信頼性を確保するための措置並びに内部被ばくによる線量及び施設の放射線の量等の測定に用いる放射線測定器の点検及び校正を行うこととする。
2 外部被ばくによる線量の測定は,公益財団法人日本適合認定協会(JAB)による「ISO/IEC 17025:国際標準化機構/国際電気標準会議 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求」に基づく放射線個人線量測定分野の認定を取得した外部機関に委託して行うこととする。
3 放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況の測定に用いる放射線測定器については,点検及び校正を1年ごとに,適切に組み合わせて行うこととする。
4 前各項における点検及び校正方法等の詳細は,実施要領で定める。
(場所の測定)
第28条 安全管理担当者は,安全管理責任者の管理の下, 放射線障害のおそれのある場所について,放射線の量及び放射性同位元素等による汚染状況の測定を行い,その結果を評価し記録することとする。
2 放射線の量は,前条で定める点検及び校正を行った放射線測定器を用いて1センチメートル線量当量率又は1センチメートル線量当量について測定することとする。ただし,放射線測定器による測定が著しく困難な場合は,計算によってその値を算出することができる。
3 密封された放射性同位元素を取り扱う施設の測定は,次の各号に掲げる事項により行うこととする。
(1) 放射線の量の測定は,使用施設,貯蔵施設,管理区域境界及び事業所境界においてあらかじめ定めた地点について行うこと。
(2) 実施期間は,使用開始前に1回,かつ,使用開始後は6月を超えない期間ごとに1回行うこと。
(3) 前号の規定にかかわらず,密封された放射性同位元素のうち,125Iシード線源の使用施設については,1月を超えない期間ごとに1回行うこと。
4 密封されていない放射性同位元素を取り扱う施設の測定は,次の各号に掲げる事項により行うこと。
(1) 放射線の量の測定は,作業施設,貯蔵施設,廃棄施設,管理区域境界及び事業所境界において,あらかじめ定めた地点について行うこと。
(2) 放射性同位元素による汚染の状況の測定は,作業室,汚染検査室,排気設備,排水設備及び管理区域境界において,あらかじめ定めた地点について行うこと。
(3) 実施期間は,使用開始前に1回,かつ,使用開始後は1月を超えない期間ごとに1回行うこと。
(4) 排気設備の排気口及び排水設備の排水口における測定は,排気又は排水する都度行うこと。
5 放射線発生装置を取り扱う施設の測定は,次の各号に掲げる事項により行うこととする。
(1) 放射線の量の測定は,使用施設,管理区域境界及び事業所境界において,あらかじめ定めた地点について行うこと。
(2) 実施期間は,使用開始前に1回,かつ,使用開始後は6月を超えない期間ごとに1回行うこと。
6 放射化物保管廃棄施設の測定は,次の各号に掲げる事項により行うこととする。
(1) 放射線の量の測定は,使用施設,管理区域境界及び事業所境界において,あらかじめ定めた地点について行うこと。
(2) 実施期間は,使用開始前に1回,かつ,使用開始後は6月を超えない期間ごとに1回行うこと。ただし,放射化物が発生し速やかに廃棄するまで一時的に保管する場合は,1月を超えない期間ごとに1回行うこと。
7 第2項から前項までの測定の結果については,次の各号に掲げる事項を記録すること。
(1) 測定日時(測定において時刻を考慮する必要がない場合にあっては,測定年月日)
(2) 測定箇所
(3) 測定した者の氏名(測定の適正な実施を確保できる場合にあたっては,名称)
(4) 放射線測定器の種類及び型式並びに校正及び点検日
(5) 測定方法
(6) 測定結果
(放射線施設に立ち入った者の放射線の量の測定)
第29条 安全管理担当者は,安全管理責任者の管理の下,放射線施設に立ち入った者の放射線の量の測定を行い,その結果を評価し記録することとする。
2 放射線の量は,第27条で定める点検及び校正を行った放射線測定器を用いて測定を行うこととする。ただし,放射線測定器による測定が著しく困難な場合は,計算によってその値を算出することができる。
[第27条]
3 放射線業務従事者の外部被ばくによる線量の測定は,次の各号に掲げる事項により行うこととする。ただし,一時立入者については,1センチメートル線量当量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのない場合は,測定を要しない。
(1) 胸部(女子(妊娠する可能性がないと診断された女子及び妊娠の意思のない旨を書面で病院長に申し出た女子を除く。以下同じ。)にあっては腹部)について1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(中性子線については1センチメートル線量当量)を測定すること。
(2) 頭部及びけい部からなる部分,胸部及び上腕部からなる部分並びに腹部及び大たい部からなる部分のうち,外部被ばくによる線量が最大被ばくとなるおそれが胸部及び上腕部からなる部分(女子にあっては腹部及び大たい部からなる部分)以外の場合は,当該部位についても,1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(中性子線については1センチメートル線量当量)を測定すること。
(3) 外部被ばくによる線量が最大となるおそれのある部位が頭部,頸部,胸部,上腕部,腹部及び大腿以外の部位である場合にあっては,該当部位について測定すること。
(4) 眼の等価線量を算定するための線量の測定は,前3号の測定のほか,眼の近傍その他の適正な部位について,1センチメートル線量当量,3ミリメートル線量当量又は70マイクロメートル線量当量のうち適切なものを測定することにより行うことができる。
4 放射線業務従事者の内部被ばくによる線量の測定については,次の各号に掲げる事項により行うこととする。ただし,一時立入者については,1センチメートル線量当量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのない場合は,測定を要しない。
(1) 内部被ばくによる線量の評価は,計算により求めること。
(2) 放射性同位元素を誤って摂取した場合は,その都度行うこと。
5 放射線施設に立ち入った者の放射性同位元素による汚染の状況の測定については,第27条で定める点検及び校正を行った放射線測定器を用いて,手,足その他放射性同位元素によって汚染されるおそれのある人体部位の表面及び作業衣,履物,保護具その他人体に着用している物の表面であって放射性同位元素によって汚染されるおそれのある部位について行うこととする。この場合において,密封されていない放射性同位元素の使用する使用施設に立ち入る者については,当該施設から退出するときに行うこととする。
[第27条]
6 第3項で定める外部被ばくによる放射線の量の測定結果については,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間(女子にあっては毎月1日を始期とする1月間)並びに4月1日を始期とする1年間について,当該期間ごとに集計し,次の各号に掲げる事項について記録することとする。
(1) 測定対象者の氏名
(2) 測定をした者の氏名(測定の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(3) 放射線測定器の種類及び型式
(4) 測定方法
(5) 測定部位及び測定結果
7 第4項で定める内部被ばくによる線量の測定結果については,測定の都度,次の各号に掲げる事項を記録すること。
(1) 測定日時(測定において時刻を考慮する必要がない場合にあっては,測定年月日)
(2) 測定対象者の氏名
(3) 測定をした者の氏名
(4) 放射線測定器の種類及び型式
(5) 測定方法
(6) 測定部位及び測定結果
8 第5項で定める放射線施設に立ち入った者の測定の結果については,手,足等の人体部位の表面が表面密度限度を超えて放射性同位元素により汚染され,その汚染を容易に除去することができないときは,次の各号に掲げる事項について記録しなければならない。
(1) 測定日時(測定において時刻を考慮する必要がない場合にあっては,測定年月日)
(2) 測定対象者の氏名
(3) 測定をした者の氏名(測定の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(4) 放射線測定器の種類及び型式
(5) 汚染の状況
(6) 測定方法
(7) 測定部位及び測定結果
9 第3項から第5項までの測定結果から実効線量及び等価線量を, 4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間(女子にあっては毎月1日を始期とする1月間)並びに4月1日を始期とする1年間について,当該期間ごとに算定し,算定の都度,次の各号に掲げる事項について記録しなければならない。
(1) 算定年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 算定した者の氏名(測定の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(4) 算定対象期間
(5) 実効線量
(6) 等価線量及び組織名
10 前項による実効線量の算定の結果,4月1日を始期とする1年間についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は,当該1年間以降は,当該1年間を含む5年間(平成13年4月1日以降5年ごとに区分した各期間)の累積実効線量を当該期間について,毎年度集計し,集計の都度,次の各号に掲げる事項について記録しなければならない。
(1) 集計年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 集計した者の氏名(集計の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(4) 集計対象期間
(5) 累積実効線量
11 前項の規定は第9項の規定により算定する等価線量のうち,眼の水晶体に係るものについて準用する。この場合において,「実効線量」とあるのは「眼の水晶体の等価線量」と,「累積実効線量」とあるのは「眼の水晶体の累積等価線量」と読み替えるものとする。
12 安全管理担当者は,前各項の測定及び算定の記録の都度,安全管理責任者及び主任者に報告するとともに,その写しを本人に交付しなければならない。
(線量限度)
第30条 放射線業務従事者の実効線量限度は,次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 平成13年4月1日及びその5年後ごとの4月1日を始期とする5年間につき,100ミリシーベルト。ただし,4月1日を始期とする1年間については50ミリシーベルト
(2) 女子(妊娠する可能性がないと診断された女子及び妊娠中の女子を除く。)については前号に規定するほか,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする3月間につき,5ミリシーベルト
(3) 妊娠中である女子について,本人の申出等により安全管理責任者が妊娠の事実を知ったときから出産までの間につき,内部被ばくについて1ミリシーベルト
2 放射線業務従事者の等価線量限度は,次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 眼の水晶体については,4月1日を始期とする1年間につき,50ミリシーベルト及び5年間につき,100ミリシーベルト
(2) 皮膚については,4月1日を始期とする1年間につき,500ミリシーベルト
(3) 妊娠中である女子の腹部表面については,前項第3号に規定する期間につき,2ミリシーベルト
3 主任者は,放射性同位元素等の使用等を行う者に対して,当該者の線量が前2項に掲げる値を超えないように,作業時間の短縮,遮へい物の配置,線源との距離の増大等管理上の適切な措置を講じなければならない。
第7章 教育及び訓練
(教育及び訓練)
第31条 安全管理責任者は,放射線業務従事者その他安全管理責任者が必要と認めた者に対し,実施要領に従い教育及び訓練を行わなければならない。
2 前項の規定による教育及び訓練は,初めて管理区域に立ち入る者にあっては立ち入る前に,立ち入った後にあっては前回の教育及び訓練を行った日の属する年度の翌年度の開始の日から1年以内に行うこととする。
3 安全管理責任者は,前2項の規定にかかわらず,所定の教育及び訓練事項に関し十分な知識及び技能を有していると認められる者に対しては,実施要領に従い,安全管理責任者と主任者が協議の上,当該項目に係る教育及び訓練の一部を免除することができる。この場合において,第34条第1項第7号で定める記録に,省略理由を記載しなければならない。
4 安全管理責任者は,管理区域に一時的に立ち入る者を一時立入者として承認する場合は,当該一時立入者に対して,放射線障害の発生を防止するために必要な教育を口頭又は掲示等により実施し,立入並びに教育及び訓練の実施に係る記録を行わなければならない。
第8章 健康診断
(健康診断)
第32条 安全管理責任者は,次の各号に掲げる事項について,放射線業務従事者及びその他主任者が必要と認めた者に対し,金沢大学保健管理センター(以下「保健管理センター」という。)において健康診断及び保健指導を実施しなければならない。
(1) 健康診断の項目は,次のとおりとする。
イ 問診(被ばく歴の評価を含む。)
ロ 末梢血液中の血色素量又はヘマトクリット値,赤血球数及び白血球数の検査
ハ 末梢血液中の白血球百分率の検査
ニ 皮膚の検査
ホ 白内障に関する眼の検査
(2) 実施時期は,次のとおりとする。
イ 放射線業務従事者として登録する前
ロ 放射線業務従事者として登録された後にあっては,登録後6月を超えない期間ごと
ハ ロの規定にかかわらず,放射線業務従事者が次の各号の一に該当するときは,遅滞なく,その者につき健康診断を行うこと。
(イ) 放射性同位元素等を誤って吸入摂取又は経口摂取したとき。
(ロ) 放射性同位元素等により,表面密度限度を超えて皮膚が汚染され,その汚染を容易に除去することができないとき。
(ハ) 放射性同位元素等により皮膚の創傷面が汚染され,又は汚染されたおそれのあるとき。
(ニ) 実効線量限度又は等価線量限度を超えて放射線に被ばく又は被ばくしたおそれのあるとき。
(3) 放射線業務従事者に登録された後にあっては,前1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えず,かつ,当該1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのない放射線業務従事者については,医師が必要と認めるときに限り,第1号ロからホまでの項目のすべて又は一部を行う。
(4) 前号の規定にかかわらず,前1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超え,又は当該1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのある放射線業務従事者については,第1号ロからホまでの項目について健康診断を実施しなければならない。ただし,医師が必要でないと認めるときは,第1号ロからホまでの項目のすべて又は一部を省略することができる。
(5) 健康診断の結果については,健康診断の都度,次に掲げる事項について記録しなければならない。
イ 実施年月日
ロ 対象者の氏名
ハ 健康診断を行った医師名
ニ 健康診断の結果
ホ 健康診断の結果に基づいて講じた措置
2 保健管理センターは,前項に規定する健康診断の結果を速やかに安全管理責任者を経由して病院長に通知することとする。
3 安全管理責任者は,健康診断を受けた者に対しては健康診断の都度,第1項第3号により健康診断を免除した者に対してはその理由を記録の都度,その写しを本人に交付しなければならない。
(放射線障害を受けた者等に対する措置)
第33条 病院長は,放射線業務従事者で放射線障害を受けた者又はそのおそれのある者(以下「放射線障害者等」という。)については,主任者,安全管理責任者及び医師と協議の上,その放射線障害の程度に応じ,管理区域への立入時間の短縮,立入禁止又は放射線に被ばくするおそれの少ない業務への配置転換等の措置を講じるとともに,その結果を同位元素委員会及び学長に報告しなければならない。
2 病院長は,保健管理センターが取扱等業務を行うことについて支障がないと認めるまでは,放射線障害者等を取扱等業務に従事させてはならない。
3 病院長は,放射線業務従事者以外の者が放射線障害を受け又はそのおそれのある場合は,遅滞なく医師による診断,必要な健康指導等の適切な措置を講じなければならない。
第9章 記帳及び保存
(記帳及び保存)
第34条 病院長は,規則第24条の定めに基づき記帳し,次の各号に定められた帳簿を保存しなければならない。
(1) 放射性同位元素等の受入れ,払出し,保管,使用,運搬及び廃棄に関する所定の事項を記録したもの
(2) 放射線発生装置の使用に関する所定の事項を記録したもの
(3) 第17条で定める放射線施設の点検結果及び点検後に行った措置等の状況について記録したもの
[第17条]
(4) 第27条で定める測定の信頼性の確保について記録したもの
[第27条]
(5) 第28条で定める場所の測定結果について記録したもの
[第28条]
(6) 第29条第1項で定める放射線施設に立ち入った者の放射線の量の測定結果について記録したもの
[第29条第1項]
(7) 第31条で定める教育及び訓練の内容について記録したもの
[第31条]
(8) 第32条で定める健康診断の結果について記録したもの
[第32条]
2 前項各号の記録は,次の各号に掲げる者によって点検及び確認しなければならない。
(1) 前項(第3号を除く。)に規定する記録については,主任者及び安全管理責任者
(2) 前項第3号に規定する記録については,主任者及び施設管理責任者
3 安全管理責任者及び施設管理責任者は,毎年3月31日,又は事業所の廃止等を行う場合は廃止日等に帳簿を閉鎖し,主任者とともに点検及び確認の上,次の各号で定めるところに従って保存しなければならない。
(1) 第1項第1号から第5号まで及び第7号に規定する記録については,5年間
(2) 第1項第6号及び第8号に規定する記録については,永年。ただし,当該記録に係る放射線業務従事者が金沢大学を退職した場合又は当該記録を5年以上保存した場合において,これを原子力規制委員会が指定する機関に引渡すときは,この限りでない。
第10章 危険時及び災害時の措置
(通報)
第35条 次条から第38条までに規定する危険事態又は事故を発見した放射線業務従事者等は,災害対策マニュアルに従い,必要な措置を講じなければならない。
2 通報を受けた主任者は,別に定める金沢大学放射線施設・核燃料施設の緊急時連絡体制マニュアル(以下「緊急時連絡体制マニュアル」という。)に従い,的確迅速にその状況を連絡しなければならない。
(危険時の措置)
第36条 主任者は,地震,火災等の災害,放射性同位元素等の運搬中の事故等により,放射線障害が発生又は発生するおそれのある事態(以下「危険事態」という。)の通報を受けたときは,安全管理担当者に指示して放射線業務従事者を中心としたチームにより,次の各号に掲げる緊急作業に従事させ,放射線障害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
(1) 火災が発生したときは,消火又は延焼の防止に努めること。
(2) 放射線施設の内部にいる者及び付近にいる者を避難させること。
(3) 照射器具等を患者から除去し,その安全を確保できる場合は,その措置を講じた後,直ちに患者を所定の避難場所に退避させること。
(4) 前号の措置を講ずる時間的余裕がない緊急時には,直ちに患者を所定の避難場所に退避させること。
(5) 前号の場合は,患者に照射器具等が装着されている旨の標識を付し,周囲の放射線被ばくに対する安全を確保すること。
(6) 放射性汚染が生じた場合は,速やかに,その広がりの防止及び除去を行うこと。
(7) 放射性同位元素を,必要に応じて他の安全な場所に移し,その周囲に縄張り,標識等を設け,安全が確保できる場合は見張人をつけること。
(8) その他放射線障害を防止するために必要な措置を講ずること。
2 学長は,危険事態の連絡を受けたときは,次の各号に掲げる事項について遅滞なく原子力規制委員会及びその他関係機関の長に届け出なければならない。
(1) 危険事態の発生した日時,場所及び原因
(2) 発生又は発生するおそれのある放射線障害の状況
(3) 講じ,又は講じようとしている応急措置の内容
(災害時の措置)
第37条 病院が所在する同一市内で大規模自然災害(震度5強以上の地震,風水害による家屋全壊(住家流出又は1階天井までの浸水,台風及び竜巻等による家屋全壊が発生した場合))又は病院に火災などの災害が起こった場合には,施設管理担当者は実施要領で定める点検項目について点検を行い,その結果を施設管理責任者及び主任者を経由して病院長に報告しなければならない。
2 前項の点検の結果,異常を認めるときは,施設管理担当者はその状況及び原因を調査し,必要な応急措置を講ずるとともに,施設管理責任者及び主任者を経由して病院長に連絡しなければならない。
3 前項の連絡を受けた病院長は,必要に応じ放射線施設の全部又は一部の使用を停止し,直ちに法で定める基準に適合するよう必要な措置を講ずるものとする。
4 病院長は,前3項の点検及び改善措置を行う場合は,施設管理担当者の立ち会いの上,業者に請け負わせることができる。
5 病院長は,第1項及び第2項の報告のうち,病院長で対処できない異常については同位元素委員会及び学長に報告しなければならない。
(事故時の措置)
第38条 主任者は,次の各号に掲げる事故(以下「事故等」という。)の通報を受けたときは,第35条の規定に従い通報するとともに放射線障害の発生の防止に努めなければならない。
[第35条]
(1) 放射性同位元素の盗取又は所在不明が生じたとき。
(2) 気体状の放射性同位元素等を排気設備において浄化し,又は排気することによって廃棄した場合において,法で定める濃度限度又は線量限度を超えたとき。
(3) 液体状の放射性同位元素等を排気設備において浄化し,又は排気することによって廃棄した場合において,法で定める濃度限度又は線量限度を超えたとき。
(4) 放射性同位元素等が管理区域外で漏えいしたとき。
(5) 放射性同位元素等が管理区域内で漏えいしたとき。ただし,次のいずれかに該当するとき(漏えいした物が管理区域外に広がったときを除く。)を除く。
イ 漏えいした液体状の放射線同位元素等が当該漏えいに係る設備の周辺部に設置された漏えいの拡大を防止するための堰の外に拡大しなかったとき。
ロ 気体状の放射性同位元素等が漏えいした場合において,漏えいした場所に係る排気設備の機能が適正に維持されているとき。
ハ 漏えいした放射性同位元素の放射能量が微量のとき。
ニ 漏えいした放射性同位元素の放射能量が表面密度限度を超えないとき。
ホ その他漏えいの程度が軽微なとき。
(6) 次の線量が線量限度を超え,又は超えるおそれがあるとき。
イ 使用施設内,貯蔵施設内又は廃棄施設内の人が常時立ち入る場所において人が被ばくするおそれのある線量
ロ 事業所の境界及び事業所内の人が居住する区域における線量
(7) 放射性同位元素等の使用,その他の取扱いにおける計画外の被ばくがあったときであって,当該被ばくに係る実効線量が放射線業務従事者にあっては5ミリシーベルト,放射線業務従事者以外の者にあっては0.5ミリシーベルトを超え,又は超えるおそれがあるとき。
(8) 放射線業務従事者について実効線量限度及び等価線量限度を超え,又は超えるおそれのある被ばくがあったとき。
2 学長は,通報を受けたときは,その旨を直ちに原子力規制委員会及びその他関係機関に通報するとともに,その状況及びそれに対する措置を事故の発生した日から10日以内に報告しなければならない。
3 安全委員会は,通報を受けたときは,同位元素委員会と連携を密にしてその事故の状況を調査検討し,今後の事故防止対策等について必要に応じ,病院長に勧告しなければならない。
4 病院長は,前項の勧告に基づき,所要の措置を講じなければならない。
(災害等による放射線障害の予防)
第39条 施設管理担当者及び安全管理担当者は,危険事態及び放射性同位元素等の取扱いにおける事故による放射線障害の発生を防止するため,前3条で定めるもののほか,次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 放射線施設内の機器,物品等の転倒及び落下を防止するための措置について随時点検し,その適正を期すること。
(2) 非常用設備(保安用品,消火器等)を随時点検し,正常に機能することを確かめておくこと。
(3) 二次災害を引き起こすおそれのある物品及び薬品の保管並びに取扱いには特に注意し,放射線施設内への持込みを必要最小限にとどめるよう指導すること。
(4) 前各号に規定するもののほか,災害等による放射線障害の発生の予防について,あらかじめ十分配慮しておくこと。
2 前項第1号,第2号及び第4号に掲げる措置は施設管理担当者が,同項第3号及び第4号に掲げる措置は安全管理担当者が行うものとする。
第11章 情報の提供
(情報の提供)
第40条 病院長は,事故等の報告を要する放射線障害のおそれがある場合又は危険事態が発生した場合は,緊急時連絡体制マニュアルに従い対応する。
2 情報の提供は,公衆向けと報道機関向けに,それぞれ緊急時連絡体制マニュアルに従い対応する。
3 病院長は,情報提供内容について,安全委員会の意見を聴いて決定し,対応状況等について学長に報告することとする。
第12章 業務の改善
(業務の点検及び改善)
第41条 病院は,放射線施設の放射性同位元素等の使用・管理等に係る安全性を向上させるため,放射線障害の防止に関する業務評価を受けるものとする。
2 病院は,同位元素委員会の委員及び同位元素委員会が指名する者による立入検査及び点検を年1回以上受けなければならない。
3 病院長は,前項の調査の結果,改善措置の通知を受けた場合は,改善の措置を行い,改善報告書を作成し,同位元素委員会に改善結果を報告しなければならない。
4 病院長は,前項において病院のみで対処できない改善措置については,同位元素委員会及び学長に報告し協議の上,対応しなければならない。
(業務の体系的実施と改善)
第42条 安全委員会は,放射線障害の防止に関する業務を体系的に実施するため,次の各号で定める業務の改善を行う。
(1) 放射線同位元素ごとの放射線障害の防止に関する業務を体系的に実施するために必要な計画
(2) 前号で定める計画に基づく実施
(3) 評価及び継続的な見直し
2 病院長は,前項の結果,改善措置が必要である旨の報告を受けた場合は,改善の措置を行い,安全委員会に改善結果を報告しなければならない。
第13章 放射線管理状況の報告
(放射線管理状況の報告)
第43条 安全管理担当者は,規則第39条第2項で定める放射線管理状況報告書を,毎年4月1日を始期とする1年間について作成し,主任者,安全管理責任者及び施設管理責任者を経由して病院長に報告しなければならない。
2 病院長は,前項の報告書を当該期間経過後2月以内に学長及び同位元素委員会の委員長に報告しなければならない。
3 学長は,前項の報告書を当該期間経過後3月以内に原子力規制委員会に提出しなければならない。
第14章 規程の改廃
(規程の改廃)
第44条 この規程の改廃は,安全委員会の議を経て病院長が行うものとし,同位元素委員会の委員長に報告するとともに,学長を通じて原子力規制委員会に届け出るものとする。
附 則
1 この規程は,平成20年4月1日から施行する。
2 金沢大学医学部附属病院放射線障害予防規程は廃止する。
附 則
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この規程は,平成22年4月1日から施行する。
附 則
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この規程は,平成23年4月1日から施行する。
附 則
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この規程は,平成24年4月1日から施行する。
附 則
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この規程は,平成28年1月1日から施行する。
附 則
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この規程は,平成28年4月1日から施行する。
附 則
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この規程は,平成29年4月1日から施行する。
附 則
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この規程は,平成30年4月1日から施行する。
附 則
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この規程は,令和元年8月1日から施行する。
附 則
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この規程は,令和元年9月1日から施行する。
附 則
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この規程は,令和3年4月1日から施行する。
附 則
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この規程は,令和5年10月1日から施行する。
附 則
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この規程は,令和7年4月1日から施行する。