金沢大学Web広報誌 e-Acanthus
月周回衛星「かぐや」の搭載機器WFCを開発
2007年9月11日
9月14日,種子島宇宙センターから打ち上げを予定している,月周回衛星「かぐや(SELENE)」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が推進するアポロ計画以来最大規模の本格的な月探査衛星です。主に月の科学観測を目的とし,主衛星1,子衛星2が月周回軌道に投入され,全部で15種の観測ミッションが計画(予定)されています。
主衛星に搭載される観測装置のひとつにLRS(月レーダーサウンダー,主任研究者:東北大学教授・小野高幸)があり,金沢大学はLRSのサブ機器であるWFC(波形捕捉器)を担当します。
LRSは,1本15mのアンテナを4本使った電波送受信装置で,レーダ電波を使って月の表層から地下数kmにいたる構造の探査をするほか,月周辺に存在する自然電波を観測します。
WFCは,1MHz以下の周波数帯の自然電波観測を目的としています。WFCを使って月周回軌道上で電波観測を行う意義は,太陽風を月がさえぎることで発生する低密度プラズマ領域(ウェイク)に起因する自然電波の観測や,太陽・地球・木星等から到来する自然電波の精密観測(*)などが挙げられます。((*) たとえば,地球からの電波が遮られたノイズ環境のよい月の裏側で,太陽や惑星からの電波観測が可能になるなど。)WFCは様々な最先端のデジタル信号処理技術を取り入れることで,従来の日本科学衛星搭載の電波受信器に比べ,観測分解能が飛躍的に向上。また,受信器のソフトウェア制御によって,多様な観測モードを実現しました。
WFCの開発には,笠原禎也准教授(総合メディア基盤センター)に加え,後藤由貴助教(大学院自然科学研究科),井町智彦助教(総合メディア基盤センター)が参画。京都大学生存圏研究所などの関連研究機関の協力を得ながら完成させました。
【今後の予定】
打上げから約1ヶ月後に,月周回軌道に投入。子衛星を順次分離後に,搭載観測機器を初期チェックアウト。打上げから約3ヵ月後から定常観測を開始。
かぐや衛星全般に関する情報は,プロジェクトホームページhttp://www.kaguya.jaxa.jp/など,JAXAのホームページでご確認ください。

WFC(波形捕捉器)
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