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学域長挨拶

 人間社会学域長 樫見 由美子

「人間社会学域」という名称に、一瞬「それは何を学ぶところか」と思われる方は多いと思います。実はその名のとおり、人間社会学域は、人の内心に関わる思想、信条、感情そのものや、それらが複合的に創り出すもの、そして、人が他者に対して、あるいは社会に対して行動するすべてのことを学びの対象とする教育組織なのです。

そこには、人文学・法学・経済学・教育学の他、学際的分野である国際学・地域創造学といった様々な専門分野に関する教育組織である学類があります。

この学域には、従来の「学部」といった組織が作り上げた「越えられない壁」はありません。それぞれの専門分野を構成する学類の中で、皆さんは、自分が考えている進路、例えば公務員、民間企業での就職、小・中・高校等の学校の教員や法曹となること、文系の専門分野の研究者となることを目指し、それぞれの学類において自由に、かつ専門的に学び、研究することができます。

一方、個別の専門分野を学び研究していく過程で、将来の進路に迷い、または進路変更や複数の専門分野を学びたいと考える皆さんには、それに適切に対応する二つの特徴的な制度があります。「経過選択制」は、学問領域に関する幅広い知識を身につけると同時に、段階的に学生自身の関心や適性に応じて専攻領域を決定できるシステムです。そして、「主専攻・副専攻制」は、自分自身が選択した専攻領域に加え、学習過程で抱いた他の専門領域に対する興味や関心を自由に、また、主体的に深化させることができる制度です。

今から200年以上も前に精密な日本地図を作成した伊能忠敬は、55歳の時に、「彎窠羅鍼」(「ワンカラシン」)という名の杖を手にして遠い蝦夷地(北海道)を目指したといいます。この杖には羅針盤が仕込まれていて、どんな傾斜地に杖を立てても磁針面は水平となって、針は常に両極を指すというものだそうです。

人生にも行く手をはっきりと示してくれる羅針盤があれば、どんなに楽なことでしょう。

しかし、人の心は常に行く手に対して迷い、いくつかの人生の重大な岐路において、皆さんは複数の選択肢の中からいずれかを選ぶことを余儀なくされます。人間社会学域における学びは、皆さんの適切な意思決定の基礎となるばかりでなく、そこでの教職員や友人との出会いは皆さんの適切な判断の助けとなり、人生を豊かなものにします。

皆さんは、いま「グローバル化」「高度情報化」「多文化共生」「多様な価値観」等の言葉が交錯する複雑で混沌とした時代に生きています。

この人間社会学域において、皆さんは日々の学びと多くの人との交流の中で、道なき道を揺るがずに進むための自らの羅針盤を創り上げて下さい。

人間社会学域の教職員一同、皆さんを導き応援します。

 

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